12.お話にテーマってありますか?

 ありません。

 まったくないです。

 僕が小説を書く理由はただ一つで、読んだ人を「びっくりさせたい」だけです。

 振り返ってみても本当にないですね。例えば「悪い奴は必ず報いを受ける」とか「レイプなどの性的暴力は扱わない」とかも特にないです。小説としての面白さを表現できるのであれば何でも書くつもりでいます。いまのところ書く予定はありませんが。

 そもそもテーマってないとだめなんですかね?

 たとえば拙作『竜斬の理』では、父と息子の確執が出てきます。ですがこれはテーマでも何でもありません。終盤の展開を盛り上げるためのギミックとして使っただけです。

 んー、ないです。本当にない。

 あ、「無駄に人を殺さない」はプロットの段階では思いますけど、これもテーマではないと思います。

 僕も作中で何人も殺してきましたけど、人が死ぬ話が嫌いなんですよ。序盤なら全然いいんですけど。

 誰だって最愛の人が死んだら悲しいし、主人公の行動に枷をかけてくる人物が死ねば物事は順調に進むのでしょうけど、それってプロットとして下手すぎません? 殺すなら殺すだけのちゃんとした理由を用意する。話に行き詰まって安易に殺さない。それでも殺すのであれば印象深くなるように描写をちゃんと頑張る。物語の面白さに貢献するだけの意味を持たせる。……まあでもこれはただの僕の好みのような気もします。


 結局のところ、僕は読んでくれた人を「びっくりさせたい」だけなんですよね。本当にもうそれだけなんです。読み終えて、こんなこと考えついた奴がおったんや! と思ってもらえたらそれだけでいいんです。

 なので「びっくりするところのない話は書きたくない」を、僕の唯一のテーマということにしておきます。


 

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