9.どこから書き始める?

 一行目から書き始めます。

 そうできるように準備をします。

 なので今回はプロットの話ですね。


 書き手によってプロットの作り方も様々だと思いますが、僕の場合は簡単な箱書きを作ります。箱書き、と言ってもそんなに大層なものではなく、シーンに必要な情報をざっくりと箇条書きにしたものです。

 

・B男のアパートでA子とB男が言い争う。B男の浮気がバレる。開き直るB男。

・A子の投げつけたウイスキーボトルがB男の頭に当たってB男が動かなくなる。頭部から出血。呼吸が止まる。

・A子、慌ててアパートから立ち去る。その時、鞄に付けていたチャームがちぎれて落ちる。


 これでワンシーン終了。一五〇〇文字ぐらいかな? 慣れるとおおよその文字数も感覚で分かるので便利です。二人の特徴やアパートの間取りだとかは別で設定を用意することになりますが、そこまで重要でないものなら書きながら決めていっても問題ないかと思います。

 次のシーンも同じように箇条書きにしていきます。


・B男の友人のC男、アパートから走り去るA子を目撃する。

・不審に思いB男の部屋を訪ねるとドアに鍵がかかっていない。中を覗くとB男が死んでいる。傍らに血の付いたウイスキーボトル。

・実はA子に惚れていたC男。A子を殺人犯にしないため策を講じる。

・考えた末、飛び降り自殺にみせかけることにする。B男をベランダから突き落とし、ウイスキーボトルを持ち去る。ちぎれ落ちたチャームには気付かない。


 まあたいして面白くない話ですが、あくまで事例ということで勘弁してください。これで二〇〇〇文字ぐらいになるかと思います。


 こんな風にして最後のシーンまで箱書きを作り、一行目から書いていきます。そして書き進めていくうちにだんだんと細かな情報が決まっていきます。その情報を引き継いで次のシーンを書くわけなので、いきなりクライマックスシーンから書いても結局は書き直すことになります。なのでよほどの理由がない限りそんな面倒なことはしません。



 

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