第11話 無駄を生きる者の戯言

 焦りはあるんだ……


 僕なんかに与えられた労働……世界の奴隷となる権利。


 お前が生きるにはそれしか……ないのだと。



 そんな、時間から開放されるほんの僅かな時間。


 その時間をもっと……そんな自分から開放するために使いたいと……


 頭では……懸命に考えてはいるんだ。



 理想ぼくは気持ちだけが空回りして……いつも結果と現実を置いてけぼりにして……


 そして、僕は僕という時間を無駄にする。



 諦めたくなくても、前に進めない。


 前に進むための道がわからないんだ……


 暗闇が怖い……当然だろう?



 平坦な道がつまらなくて……


 わき道を歩く誰かに憧れたって……



 どうにもならない今日……を歩くことがやっとだ。


 今にも壊れそうな今日を……懸命に探すのがやっとだ。



 人生何があるかわからないから楽しい?


 やらぬ後悔よりやる後悔……


 実に魅力的な言葉だろうさ。



 でも……それって結局成功した奴の言葉だろ?



 頑張っても……泣いても……悔やんでも……怨んでも……


 誰も敗者の戯言ことばに興味なんてないのさ。



 自分の無力を自覚しろ……


 それで、お前の僕という人生は……その戯言で構成されることが許される……

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