18話 莉奈の隠し事②

 僕は電話で祐希を渋谷に呼び出した。祐希は寝起きの声をしていたが、どうしても聞きたいことがあると迫ると


「わかった。今日キャバクラも休みだから行くよ。渋谷でいい?」


 そう言って寝起きの祐希は素直に来てくれたのだ。

 そして、待ち合わせのハチ公前に現れた祐希は薄化粧、というよりもスッピンに違い顔て現れた。


「どしたの? なんかあった?」


 祐希は少し眠そうな目でそんな事を聞いてきた。

 僕は担当直入に自分の見た物について聞いた。


「莉奈ってなにか重い病気とかない? 家に大量の薬と注射器があったんだけど」


 僕の言葉を聞いた瞬間眉を寄せて険しい表情に変わった祐希がいた。


「カフェ行こうか。ここじゃ暑いし」


 見たこともない真面目な顔をした祐希の提案により、近くのカフェにはいる。

 店に入るなり僕はカフェオレ、祐希はアイスコーヒーを注文し祐希が「私が出すよ」そう言ってお金を支払った。


 2階にある窓際の席に僕たちは座り一息入れた。


「さっきの話だけど、祐希はなにも心辺りないの?」


「ない、訳じゃない」


 祐希はブラックのアイスコーヒーを一口飲んで呟いた。


「なにそれ、どういう事?」


「莉奈はキャバクラで何回か具合が悪くなっててさ、たまに裏で休んでたりしてたの。それ自体はキャバクラではよくある事なんだけどさ」


「よくある事なの?」


「飲み過ぎたりするからね。気持ち悪くなる時も多いから」


 まぁ確かにそうである。

 そう考えるとキャバ嬢も大変な仕事だ。だが莉奈のあの薬の量はただの二日酔い対策にしては多い。


「ある時一度だけ見たの。莉奈がさ、注射してる所」


「それで?」


「大丈夫? それなんの注射なの? って聞いたんだけどさ、内緒って誤魔化された」


 莉奈が祐希にも言わない秘密があるらしい。

 ただそのことは軽いような事ではない。それはなんとなくわかる。


「ねぇ、祐希」


「なに?」


「莉奈は本当に死にたいのかな? もしかして莉奈は生きれないだけじゃないのかな?」


 僕がそう聞くと祐希は莉奈の興味深い話を聞かされた。

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