オーダー・メイド

「注文をうけたら作る人に流すだけ。それが私の仕事。」とある喫茶店に働くメイド服の店員を、私は毎日のように見に来ていた。彼女は受けた注文をマスターに伝えるだけ。彼女自身がコーヒーを淹れたところを私は見たことがなかった。いつも羽箒を手に掃除をしながら、彼女は客の注文を待っていた。もしかすると彼女は極端に不器用だからマスターのカウンター内に入るのを禁じられているのではないか。そう思った私は彼女に「あなたの手でパフェを作る」よう注文する。