第7話 絶対に“笑って”も、“呆れて”も、“つまんで”もイケナイ空間
“少女”―――の
眸は“上弦”―――口は“下弦”を型取りながら、
けれどそれは彼女達が―――『グリマー』『黒キ魔女』『夜の世界を統べし女王』―――と、『大悪魔』が誰に知れる事もなく計画し、その計画は深く……静かに進行しつつあったからなのです。
けれどいずれは必要となってくるモノがある―――だからそこの処の援助を、
「もう―――『昂魔』からの支援が約束されている……そう捉えていいのかしら。」
「はいっ―――けれどこの支援も、最初までは……と言う事です。
あとは他からの援助を要請するつもりでした。」(ムヒ☆)
「そうだったの―――それじゃ私は……」
「なぁ~にシケたこと言ってんのよ。 『支援してあげる』って言いたかったから、わざわざ私を見つけに来たんじゃないの?」
「そう言う……つもりじゃ―――」
「全く……煮えッ切らない態度だなあ―――まあ、
“いつも”のような―――潔い決断はなく、どこか
それをシェラザードは、
「よおぅし―――判った。 ならあんたんとこの「上の人」と話しを着けようじゃない。」
「(―――は?)はあああ~~~??? い……いや、ちょっと何を口走ってんの?? この私……より、「上の人」―――って……」
「【女媧】様のことでしねえ?」(ムヒ?)
「ササラは知ってんの?」
「まあ―――“
「けど……アンジェリカのコレ―――って、明らかに拒絶反応よねぇ……。」
「あっ―――当たり前でしょう? 例え眷属とは言え、そうおいそれとは……」
「でわあ~~この私がジィルガの
こ・の“
今の私達の長がどんな状態になっているか―――って事をぉ~~!
参ったなあ……本来ならこの事は、なるべく他には知られたくはなかったんだけれど―――
そこを『
またも『
それに彼女は、自分が所属している“派閥”の長が、現在どんな状態であるのかを知っていただけに、他派閥の者達に合わせる事を極力避けていたのです。
なのに―――……
* * * * * * * * * *
「ねえ……最初に言っておいてあげるけど、呉々も失礼のないようにね―――」(←結局断り切れなかった人)
「
私こう見えても王女だったんだよ? 王国は……もう……無くなっちゃったケドネ……。」(しょぼくれん)
「シェラに改めてそんな事を言わせるなんて―――」
「サイッテーですネッ★」(ムヒヒ)
今これから自分達が会うのは、一つの派閥の長である者―――だからこそ失礼のないように……と促せただけだったのに、なぜか
しかも煽って来る2人のうちの1人は、明らかに事の真相を知っている―――と言うにも拘わらず煽ってきた事に対し、口には出さずとも心の底では『この
『聖霊』の長が鎮座しているという部屋の扉が開かれた時―――……
「女媧―――失礼いたします……。
実はこの度あなた様にお目通りを―――と願うお客人が
{よいよい―――構わんぞよ}
「(……ん?)なんだ―――? この“ちみっこい”の……」
―――ひょいっ―――
「ぬ゛あ゛―――っ! 吾をつまむなッ! こんの不心得者がっ!!」
――ずビシ―☆
「う゛がっ?! 目が~~目があぁ~~~!!」(のたうち)
「(えっ……ナニ? このコント―――)」
「(プークックック(笑) いけませんよ(笑) クシナダさん(笑笑) ここは神聖なる空間―――『笑ってはイケナイ』し、『呆れてはイケナイ』し、
「(だぁ~から言ったのにぃ……『失礼のないように』―――って……。)」
『
そう、この魔界を支える三つもの柱の一つが、現在
しかもその大きさたるや『親指大』であり、可愛さはあっても、威厳も権威もどこにもない……とくれば、他の派閥の者達からは「舐められる」と思ってしまっているからか、なるべくならこの事実は知られたくはなかったのです。
それに―――……
「公主よ……そちはちゃんと伝えたのか?」
「えっ? あっ、はい―――それはもちろん……」
(ムヒョ?)「あれれ~? 私は『失礼のないように』―――としか、聞いていませんですけど?」
「私も……そう言う風にしか聞いていませんが―――」
援護射撃―――ゼロ
あ・れ……?
「ほ・ほ・ほぉ~~う?」
「まあ……失礼のないように、『笑って』はいませんし、『呆れ』てもいませんですけれど~~~」
「『つまんで』しまいましたのには、私達の過失だったと思います―――」
まず……い、アレが来る―――
「ちゃんと伝えておらんでわないかあ~~~! ≪媧剣;ジッソウコク≫」
「ぎぃやあああ~~! お、お、お赦しをぉ~~!!」
「(なにまたコントを見せられてるの? 私達―――)」
「(情報をちゃんと正確に伝えていないから、こうなっておしおきされてしまうんですよッ☆ まあ~自業自得と言うヤツですねッ☆)」
「(両目負傷してる私には何も見えないんですけど……ナニが起こってんの?)」
「(公主さんが女媧さまから“突きの嵐”を喰らわされている処です☆)(ム・ヒ)」
{(そういう面白場面が見れないなんて……私ゃ得してんだか、損してんだか……。)」
「(最近、公主……アンジェリカはあなたに接近し過ぎていましたからね、このくらい当然よ。)」
「(は? ナンダソレ?)」
「(なっ―――なんでもないわよっ!)」
「(あんたがどう思ってるかは知らないけど……最初に公主様に相談持ちかけたのは私なんだよ。
そりゃあ~私達だけで問題解決出来るんだったら、こんな事にはならなかったんだろうけど―――……私達だけじゃ難しい―――そう思ったから「上の人」を頼ろうとしただけだよ。
だから無闇な嫉妬は公主に対して失礼なんじゃないかと思うんだよ。)」
事実シェラザードは自分の王国を
そうした中で竜吉公主から、その援助の話しが持ち上がってきた。
けれど公主本人からは“本音”は語られず、どころか……本題にすら入らないまま立ち消えになろうとしていた―――
そこで『王国再建』立案者本人が、
そしてようやく……
「先程は無礼な事とは知らず、まことに申し訳ございませんでした―――まさか『聖霊』の長がこんなんちびちゃくなってるなんて思わなかったもので……。」
――ちくっ☆――
「(
「全く……そちは昔から“出来る子”じゃったが、どこか抜けておる処があったからのう~~。」
――ちくっ☆―― ――ちくっ☆―― ――ちくっ☆――
「もおぉ~~~すみませんてばあぁ~~~」(泣きべそ)
「それ―――で? 吾に何ようぞ、我が眷属の子よ。」
“自称”ちゃんの時は
* * * * * * * * * *
それはそうとして―――の、ようやくの本題……
シェラザードは『聖霊』の長にも、自分達四人で計画をした行動指針を話し。
ここに『昂魔』『聖霊』からの援助の確約は成ったのです。
つづく
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