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修道院の墓地 満月の夜

司祭(男)が木槌で墓標を打ち立てている。


司祭(男)「はははははは! マリア! お前の墓を立ててやったぞ! どうだ、死んでもなお私に楯突くと言うのか!? なにか言ってみろ、得意の嘘はどうした。なにも聞こえんぞ! まさに死人に口なしだな! ははははは! お前にどれほど施しを与えてやったことか。墓まで与えてやったのだぞ! 私に逆らったばかりにこのざまだ! 明日の正午に私を罰するなど、とんだ戯言。死んだお前がノー様の石像に憑りついて脅しているにすぎん! この魔女め! この忌々しい女め! その魂も犯してやろうか! はははははは、マリア! マリア! はははははは!」


アネット修道女の亡霊、クロエ修道女の亡霊、マリー修道女の亡霊が登場。

司祭(男)は三人の亡霊に驚いて腰を抜かす。


司祭(男)「わあああああああ! お前たちは!? そうか……マリアめ、私をおどかすために三人の亡霊を呼び出したのだな。臆病者! 死んでもなお私の前に姿を現すのがそんなにも怖いのか!?」


三人の亡霊は司祭(男)を鼻で笑う。


アネットの亡霊「愚かね」

司祭(男)「私を馬鹿にするな! なにがおかしい、この売女どもめ! また犯してやろうか!」

クロエの亡霊「マリアは生きている」

マリーの亡霊「アーサーと共に生きている」

アネットの亡霊「他にも大勢の仲間と共にいる」

司祭(男)「嘘だ! 嘘だ! 嘘をつくな!」

クロエの亡霊「彼女の声は大きなうねりとなってお前の運命を巻き込むだろう」

マリーの亡霊「時は来た。逃れることのできない運命が待っている」


三人の亡霊は恐ろしい笑い声と共に退場。


司祭(男)「嘘だ! 全て嘘だ! 私は信じぬぞ! 誰にも私を裁くことはできぬ! 神でさえもな! マリア! 聞こえるか!? たとえお前が私と再び戦おうとも、必ず私が勝つのだ! 裁かれるのはお前の方なのだ! 私に逆らったことを死んで償うがいい! はははっ、はははははは!」

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