第3話 進撃のたまご

(こいつ喋り方がなんか鼻につくな。…俺に鼻ないけど)「あー、あれだよ。俺たち寿司は、人気が出ないと何時間も放置されるんだってさ。悲しい話だよな」

「もしかしてマグロさん、ずっと放置されてるんすか?」ズバッと言うのはたまごさん。

「は、はぁ?別に俺が放置されてるとは言ってねぇだろ?あれだ、俺以外の他の寿司が放置されてて気の毒だなーって…」

「マグロさん、嘘つくとき『あれだ』って言うタイプっすか?」出会って一分ほどでマグロの癖を見抜くたまご。

「…だったらなんだよ?こちとらカピカピだけどなにか?」マグロは吹っ切れたようだ。

「それにしても、マグロさんのことだから真っ先に売れそうなのに、なんで余っちゃったんすかね?」

「そんなのこっちが知りたいよ…」マグロはそう吐き捨てた。

「まぁ、俺たちたまごはすぐ売れると思いますけどね。人気あるし」


「…は?は?は?どうした急に?ケンカ?ケンカ売ってんの?」


マグロは素早く食いついた。

「反応すんの早いっすね。もしかして、嫌味言われんの薄々気づいてたとか?」たまごはそれはそれは腹の立つ言い方をした。

「どういうつもりや、なぁ?シバくぞワレ」

「おーこわ!マグロさんひょっとして関西の生まれっすか?」たまごは止まらない。

「大阪湾出身やそれがどうした?そんなわけわからんまんまディスられたら方言出てもおかしくないやろが」

マグロの方言が出るときは本気のとき…


本気を出したからといって何かが変わるわけでもないのだが。

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スシネタエレジー ヒナタジャンクション @Hinata-Junction

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