第2話 ニューフェイス

「どうやら僕の出番が来たみたいですー!」

ナスは喜びの声をあげる。

「はんっ!お前のことなんてなぁ!本気で好きなやつなんかいないだろうよ!」

マグロはありったけの声をあげる。

「見苦しいですよマグロさん!僕のことバカにしといてそうやっ…」

パシャッ…

シャッター音がさえぎった。見るとそこには若い女性。

「あはっ!ホントにナスだー!変なのー!」

「ねー!なんでナスー?」「ホント変ー!」

3人の女性がナスをネタにしている。そう、スシネタだけに…「えー!?なんでー!?」ナスの嘆きがこだまする。


「…ほら見ろ。ナスなんかバカにされる運命なんだよ」ひとり残されたマグロがつぶやく。


「へー、ここがスシレーンかー…」ふと右横から声がした。見るとそこには黄色い横綱。

「…なんだ。たまごか」とポツリマグロ。

「あっ、どもー…」と軽くたまご。

「なぁ、あんたも気をつけた方がいいぞ?」

マグロは皮肉な言い方をする。

「あえっ?僕っすか?」たまごは間抜けな声を出すと共に、妙に舐めた態度で答えた。

「あんたしかいないでしょうが。そっち向いて喋ってんだから」溜め息をつきながらマグロは言った。「確かにそうっすね。それで、気をつけた方がいいって言いましたよね?何をすか?」あくまでヘラヘラした態度は崩さないつもりらしい。

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