第一章 新たなる世界「異世界にて」2

 ブレイザーを担いで歩道の縁まで歩きパイポッド展開してプローン射撃姿勢を取りに足を拡げる、アイピースのゴムカバーを引っ張り出しサイティングしてタゲを確認した後にストレートコッキングハンドルをシャキンとコッキングしてチャンバーに弾を装填する、フリッツヘルメットに着けたイヤーカバーを耳に宛てて装備して再びアイピースを覗き太さ30㌢位の幹の広葉樹に338ラプア弾を叩き込む、マズルブレーキと肩パッドのお陰でマイルドなリコイルを感じながらスコープの映像は叩き折れる樹木の状況と着弾点を確認してサイトのズレがほぼ無いのに安堵する。


 ついでにSmith&WessonのM29 -10㌅を試射するシリンダーを回転させて撃鉄を起こしてビーバーテイル気味のラバーグリップをツウハンドホールドしてやや猫背に成りながら引鉄を引き切ると延長した銃身にも関わらずまだマズルフラッシュがそこそこ発光している、リコイルショックを腕の曲げの部分と身体全体で吸収する190㌢体重90㌔の身体が活きる。ハンドガンの所持は身分を応酬自衛官と一時的に作り、銃の携帯可能な身分を無理やり法的に作って有る、応酬自衛官なので民間企業の籍もそのままだ。


 伝説のワイアット・アープのスペシャル銃みたいな銃身長だけど北米の大型獣には全般的に有効なハンドガンで現実的な取り回しの良さが魅力。

 きっと異世界でも活躍しそうだけどアモが少ないのが難点。


 銃を試射していると転移に居合わせた人々が集まって来る、ライフルにハンドガンにカットラスにサバイバルナイフとがっちり決めたマルチカム迷彩服姿の俺に話しかけて来る。


 「異世界転移に銃の持ち込みですか?」

 「自分だけ有利な状態でケモミミ・エロフハーレム狙いなんだぜ!」

 「「「貴男は黙ってなさい」」」と女子高校生の声が揃ったw


 『皆さん現状把握と認識のすり合わせをしませんか、自分はこのエリアの状況を利用して各自の戦闘能力の確認と魔法とやらの威力・速射性・発射数限界とかを確認してからの移動が宜しいのではと認識しています、この地では水・食料が手に入らない状況ですが、このエリアの状況に成るには相当派手な爆発成り閃光・火柱とか起きた物と推測します、エリアの樹木の蒸発及び地面のガラス化とかなり遠方でも異常事態だと認識出来る位の事がこの地で起きて、その確認の為にも現地の高等生命体がなんらかのアクションを起こしている筈です』


 「例えば、どの様に?」


 『威力偵察・強襲部隊での現地の状況確認の為にも重武装した戦闘部隊が事実確認に来る可能性が高い物と思います、移動中の森林・ジャングルでの遭遇は不幸な衝突を招きかねない』

 

 「まぁそれは理解出来ますけど、この世界に高等生命体が居る可能性も否定出来ないけど、水・食料の調達の為にも谷地に水資源確保に移動した方が良いのでは?」


 「この人数で水・食料が無い状況で、この場所は無いかな〜」


 『若干ならば今晩と明日の食事は提供可能ですが、皆さん水・食料は携帯していませんか』

 

 「えっ食料あるの〜お腹減った直に食べたい!」


 「バカ、そんなにガツガツ食べたら携帯食料なんて直に無くなるわよ」


 「そんな持ち合わせて無いですよ〜都内に居てコンビニや自販機が身近に有る生活ですよ」


 『ですが自分はバックパックに水2リットルにエネルギーバーにゼリー飲料とか、防水ポンチョに変え下着二組に靴下4足、メディカルパックに黒糖に塩・胡椒・カレー粉とかサーモブランケットとか常に持ち歩いています』


 「なんですか、それ〜まるで病的な位の備え」


 「でも政府広報だと常時防災グッズを用意して、出来れば最低限の食料は携帯して下さいって言ってたよね」


 「そんなの用意して無いよ〜確かに防災・個人の備えで常に用意していればベターだと言われてるけど」

 

 「そんなの用意している方がバカ的な感じだと思うぞ!重いし邪魔だし、バックパックなんて〜ザックでさえ邪魔扱いされる時も有るぜ」


  その時視界の隅で動く物が見えた、異世界物定番のホーンラビットと鑑定結果を認識する、素早くタゲの方に向くと中年サラリーマンと一緒だったOLさんがホーンラビットの方に移動してウォーターランスと叫ぶと小学生軟式野球程度のスピードで水魔法が飛んで行くと命中した瞬間に微かに淡く身体が発光した、自分は余り警戒せずに議論に意識を向けてたのは不味かったと思いながら、膝立ちニーリングショットでブレイザーを撃つとオーバーキルでラブラドールレトリバー位の兎は頭と胸の一部を吹き飛ばされてバウンドする。


 「所謂食物連鎖の底辺にあたるモンスターですよね、アレってさ、しかも2羽、てっ事はここら辺は比較的安全地帯?」


 「あの森林のジャングル具合だと大型生物は行動しにくいよな、獣道とか確認すれば足跡とかで大型生物とかの生存を確かめられる筈」 


 「でも底辺だと出生数が多くて足の速さで逃げ延びてる個体も有るからピラミッドを支える事が出来る訳でしょ、って事はあのモンスターが居るって事は捕食者が居ないと増えすぎるから、捕食者も必ずいるんだよね」

 

 『取り敢えず大型個体は出現する前に色々察知しやすいので、いきなりジャングルでの出合い頭よりも此処で迎撃した方が経験値的にも楽だと思います』


 『それにさっきモンスターを斃したら薄っすら発光現象が確認出来ました、アレは低レベルからのランクアップなのかも知れない、此処で経験値を安全に稼ぎながら翌朝行動開始でも良く有りませんか』


 「確かに言われる通りだけどよう!体力が有るうちに出来るだけ移動して生活出来るだけの物を確保しないと2日目で行動不能に成るよな!最低限水が無いと直に身体が動かせなく成る」


 「アレ〜お兄さん銃のシリンダーが薄っすら光ったよ!それって何故?」


 さっき試射したM29のシリンダーをスイングアウトしてレンコン弾倉を覗くと使用した分の弾丸数が元に戻っている。


 「その現象はひょっとしたらスキルのクールタイムで弾丸はスキル扱いなのかも知れないぞ」


 「じゃあもしも回復薬とか使っても、元に戻るお得使用なの?」


 「それは違うと思うな、地球からの持ち込み品だから個人のスキル扱いなのかも知れない」


 「もう議論ばかりしていてもしょうがない、早いうちに時間を無駄にせず行動したいグループは移動を開始しよう」

  

 「じゃあスキル確認とかして別れるグループはこっちに集まれ」


 なんかどんどん良く無い方向に流れが行ってる、人間は集団でこそ力発揮する生物なんだが。


 結局、高校生男女2人ずつ4人とサラリーマン単独が3人と単独OL1人が移動組に成って別行動に移る、インベントリはホーンラビット2体が限界な人、ホーンラビット2体+大型ワイド自販機が収納可能な人と空だが中型トラック以上の人と様々で、

食料としてコンビニお握りとお茶・麦茶500mlを3本とサンドイッチを各人に分けてあげた。

 惣菜とかコンビニ弁当とかは水分が充分補給出来ない時はかえって身体に毒なのだ、消化するにも水分が必要で、充分な水が確保出来なければ、食事はしない方が体力を使わないからだ。 

 

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ダーティーヒーロー 〜異世界の腹わた〜 一条 ヒカル @ichijyo-hikalu555

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