第4話  変わったユニコーン


ひさしぶりだね、ユニコーンさん」


 私はカップに話しかけた。このカップが棚に飾られていることがうれしくて、今日まで私は使わなかった。何人かがこのカップで飲んだらしい、でもみんな大人おとなの人ばかりだったそうだ。

 私はこのカップが大好きだけれど、クスクスと笑う人もいる。それはわかる。何故なぜならだいたいユニコーンはすごく素敵すてき格好かっこうよくえがかれるのが普通ふつうだけれど、このユニコーンはかわいい・・・というかどうなのか。

私も動物園どうぶつえんうまを見たことがあるけれど、すごく大きい、目もクリッとしている。

でもこのユニコーンの目はとっても小さくて、しかもはなの穴の方が目よりも大きい。おじいちゃんもおばあちゃんも、いつもお店に来てくれるお客さんも

「すごく、いい絵だね」と言っていたけど、どうしてもこのことが可哀想かわいそうに思える。一緒いっしょにいるちっちゃな小鳥の目と、あんまり変わらない大きさなのだから。


「もうちょっと・・・」

と私がぽつりと言った瞬間しゅんかん

「ガタガタガタ!! 」

喫茶店の入り口で大きな音がした。

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