第21話〜毒毒毒

部屋の壁の紫の部分が気になるので触ってみた。甘い香りというか花の匂いがするけどあんまり好きじゃない匂い、ちょっと鼻の奥が痛くなる。


「壁紙つんつ、んっ…!」


指で紫の部分をつついてみると、指に激痛が走り、指先を見てみると少し皮膚が溶けていた。急いでそこの部分を服でいた。皮膚が溶けるってこれ毒なんじゃないの?や、やばくないかそれ。


「まだヒリヒリする…この紫のところって全部毒?や、やばい」


しかし壁中についているのは毒なのに俺は何故生きているのだろう、触ったらアウトなのかな。まぁとりあえず床に侵食しんしょくしない事を願うしかないなぁ。


「壁には毒、床には謎の書類。そして炎華ほのかはいない。ますます謎が出てくるよなぁ」


ずっと考えていても何も出なさそうなので、床に落ちている大量の書類を拾う。どれもこれも難しい字で書かれており、全てを読むにはだいぶ時間がかかりそうだ。これで安眠も出来そう。


「漢字、数字多い…うへぇ全部見るのはきちぃよ。ん?これは…」


書類の束を見つけた。それには他の書類より多く画像が載っており、これが1番見やすいだろう。それは主に小さな子供の写真が多く、何か重要そうな書類だ。


「ほーほー子供の病気について、ね。これは中々読みやすいなぁ」


文はちゃんと整頓せいとんされており読みやすくなっている。しかし内容は子供の難病についてであり俺からしたらグロい…というか生々しいというか、それは失礼か。


これは創作ではないか?というほど珍しい病気しかない。

見たことも聞いた事もない病気ばかりで新鮮だが痛々しい体の小さな子供の写真も出てくるので精神が削られる。


「痛いだろうな…こんなに小さいのに」


そして何ページかめくっていくと、ある病気に目がいった。それはだった。何故目がいったかというと…


「これ、炎華ほのかの病気にそっくりじゃん…」


写真の子供は目から花の子もいれば、鼻や爪、へそくちなどの穴の部分に花が咲いているからだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る