第20話〜居眠り

給食後の授業は世界で1番眠い。今にでも寝そうなのに今日に限って面倒くさい古典の朗読を聞くハメになった。やばい、眠い。


「…ズズっ…」


ガリ勉は速攻で寝て、メガネの反射でまぶたが閉じているのをさとらせないようにしている。だが鼻ちょうちんが出来ており、いつ潰れるか分かったもんじゃない。


対して筋肉ゴリラはというと…


「ぐひっ、ぐふふふふふ」


林檎りんごちゃんにゾッコンだ。授業なんて大抵は寝ているのに国語になると目がギンギンになり、彼女をガン見している。


そのガン見をしている時の顔は本当に酷い、表情筋がだらけまくっているから気持ち悪いのだろうか。それとも元々か。


「ぁわぁ…」


アクビが出る。目から涙のようなものが出てくるが、泣いているわけではない。てかなんでアクビしたら涙みたいなのが出てくるのか?謎だ。

そんなつまらない事を考えていると、眠気が更に出てきて俺は次第に意識がなくなっていった。


「…うぁ……あ?」


完全に寝たと思っていたが、それは違ったみたいだ。目が冴えてきた。ここは…


「あれ、あの白い部屋じゃん」


何故こんなところに来ているのだろう?そもそも学校の居眠りでここに来れるとは、中々変な事もあるんだな。

まぁ、こんな夢を見る時点で変だけどな。


「まさか学校からでも…まぁ夢ですし。それはそうとなんでこんなに散らかってんだ?」


炎華ほのかの部屋は前までテーブルやら椅子やらお菓子等あり華やかだったが今では見る形もない。


部屋の白い壁は所々、どす黒い紫色になっており、何かが塗られている。ベット付近には書類が散乱さんらんしており、本棚は倒されている。そして散らばった本は千切られた痕跡こんせきがある。


一体どうしたんだろうか?


「ベットには…い、いない?」


ベットの布団を取って中を確認しても誰もいなかった。いつもは炎華ほのかがここで寝ているのにいない。ベットを触ってみて温もりもないため、彼女は結構前にこの部屋から出て行っているという事になる。


「でもどこに?そもそもこの部屋から出たことないって言ってたし、てか何でこんなに荒らされてるの?」





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