サロン&温室

GM : では、階段を駆け上がっていったアシュレイを追って、皆さまもサロン兼温室へと上がってきました。


 階段を上がると壁と天井がガラス張りになった温室兼サロンに出ます。花壇には色とりどりの草花が植えられ、ガーデンテーブルの上には、湯気のたつお茶とカードが置かれています。どこからか音楽が聞こえてきます。


マール : サロン美容室と空見した(笑)

GM : あははっ。おしゃべりとかする方のサロンです。

マール : 「ウエルカムってわけ?」

ゴーシュ : 「都会だな」

GM : アシュレイはガーデンテーブルの椅子に座り、ぼんやりと音楽に聞き入っていました。

エリカ : 「……」

ダリア : 「用意されたばかりに見えるお茶が、どうして……誰が?」

マール : 「ゴーくんの都会像も気になるけどさ、なんで、こんなにタイミングがいいわけ?」

ダリア : 「アシュレイちゃん、この音楽に聞き覚えがあるの?」

GM : アシュレイはぼんやりとした様子で「うん。ボクと彼女は、この曲が好きだった。ふたりでここに座ってよくお茶をしたんだ」 と言います。

マール : 「彼女?」

エリカ : 「……彼女って、あの肖像画の……」

GM : アシュレイは黙って、ガーデンテーブルに置かれたメッセージガードを差し出します。読みますか?

エリカ : 読みます。

GM : メッセージカードは魔動機文明語と交易共通語の両方で書かれています。


「Welcome to our greenhouse

Please enjoy the flowers and tea.


ようこそ私たちの温室へ

美しい花とお茶をお楽しみください。」


マール : GM、どちらが共通語ですか?

GM : 今回は魔導機文明を英語、交易共通語を日本語として扱います。

ダリア : 魔動機文明語の方は、読み書きがあるので、翻訳して皆さんに伝えます。

マール : ダリア、助かります。

ダリア : しかし、交易共通語でも書かれている……交易共通語って、魔動機文明のころにもあったのでしょうか。

GM : ないです。

エリカ : 「……これは」

ダリア : 「これ、どういうことかしら。魔動機文明の頃には、交易共通語はないのに……」

ゴーシュ : 「今の人間がこの家に住んでるんじゃないのか?」

GM : じゃあ、試しに見識判定、やってみましょう。 目標値は8。

マール : (ころころ) 14。

ダリア : (ころころ) 13。

エリカ : (ころころ) 5。

GM : では、マールとダリアのおふたりはわかります。魔剣の迷宮によくあることなんですが、挑戦者をおもんばかってか、交易共通語にアップデートするダンジョン、なんてのも実は珍しくないのです。

一同:(爆笑)

マール : 親切だな(笑)

ダリア : 挑戦者に優しい!?(笑)

エリカ : ありましたね、初めての魔剣の迷宮でもありました(笑)

ゴーシュ : アップデートするの(笑)

ダリア : では、ダリアは魔剣の迷宮では稀によくあること、と皆さんには解説します。

GM : はい。そして、テーブルには温かなお茶があります。

エリカ : 「……」

マール : お茶はなんだろう。最後の晩餐とか、おもてなしとか?

GM : そのお茶を、アシュレイはためらいなく口にしました。

マール : あるいは毒か……。て、えっ!?

エリカ : え!?

ゴーシュ : 「あぶねぇなあ、と思うがこれはちょっと特別みたいだな」とゴーシュもお茶を飲みます。

GM : (ころころ)

ダリア : 「……そのお茶、アシュレイちゃんの言っていた彼女の淹れてくれたお茶の味に似てる?」とアシュレイちゃんに聞いてみます。

マール : 「センセもおんなじようなこと考えてんだね」

ダリア : 「マールちゃんもそう考えますか。このおもてなしをしてくれる相手のこと」

GM : その前に、ゴーシュ、「生命抵抗判定」をしてください。目標値は17。

ゴーシュ : (ころころ) 16。

ダリア : 惜しい!?

GM : では、アシュレイがおごそかに言います。「毒なんじゃない……ニャ」

GM : そしてゴーシュ、まずは1D6を2回、ふってください。

ゴーシュ : はい。(ころころ)4、(ころころ)4。

GM : では、ゴーシュの飲んだお茶は緑色で渋みのあるお茶でした。そして、最後にもう1回、1D6してください

ゴーシュ : (ころころ) 5。

GM : 「五感が研ぎ澄まされる。五感にペナルティを受けた時、ペナルティを半減(端数切捨て)」という効果を24時間受けます。

ゴーシュ : 「見える……すべてが」

エリカ : はええ。

ダリア : 「ゴーシュさん? 何か見えたらまずいもの見えてませんよね!?」

マール : 怖いな。飲まないのもてな気もします。

GM : このお茶を調べるには「薬品学判定」です。目標値は12――

エリカ : (ころころ) 11。

GM : ――しかし、お茶を口に含む必要があります。

ダリア : おっと。

エリカ : 口に含んでしまった。

GM : ではまず、エリカの処理から。生命抵抗判定をお願いします。目標値は変わらず17。あえて抵抗しないという手もありますよ?

エリカ : うー、じゃあ抵抗しない感じで。

GM : OK、では、1D6を3回ふってください。

エリカ : (ころころ) 4 、4、4。

ダリア : あれ?また緑茶かな?

GM : エリカは緑色の渋いお茶を飲むと、――性別が入れ替わりました。ステータスの変動はありません。

エリカ : ふぁっ!?

ダリア : はいぃぃ!?

マール : (爆笑)

GM : イケメンになりました。

ダリア : 途端に、飲んで調べるのが怖くなってきたんですが(笑)

エリカ : 「えっ??????」(未だかつてない出来事に困惑し、茫然自失中)

ダリア : 「えっ、エリカちゃん、どうしたの? 大丈夫??」と、よくわかってないので、声を掛けます。

マール : にゃ、から、飲んだ人を変えるタイプの魔法薬と考えました。しかし性別までかわるとは。パルプンテ的なものかな?

ゴーシュ : 「なるほど。エリカは男だったのか」

ダリア : ……キュアポイズンでいけないかなぁ……? 目標値17とかになりそうですけど。

GM/アシュレイ : 「大丈夫、お茶はまだ残ってるニャ。気に入らなかったらまた飲んで上書きするニャ」

ダリア : 上書き。その発想はなかった。

GM : じゃあエリカ、薬品学判定、してみます?

エリカ : (ころころ) 4。失敗。

ダリア : 「これは……、成分がわかれば、解毒できるかも?」と、口に含んで調べます。

GM : では、薬学判定。

ダリア : (ころころ) 9 。 うひぃ!

GM : うひゃあ。変転しますか?

ダリア : う~……ここは、やっちゃいましょう! 変転して15でお願いします!

GM : では、無事に抜けた。 魔導機文明時代に流行った、飲む度に味や効能の変わる、パーティー要素の強い薬草茶であることがわかります。


 ちなみに色、味、効能をそれぞれランダムに6種類ほどご用意していました。


ゴーシュ : 「都会だな」

エリカ : 「と、かい……?」

ダリア : 全てそれで片付けないでください(笑)

マール : 「あーたの中の都会がどうなってるんだか(笑)」

ダリア : 「違いますからね!? 普通の都会はこんなことないですからね!?」

ゴーシュ : 「なんかすごい」

ダリア : えっと、ということは、もう一度飲んで、効能で4が出なかったら、エリカさんの性別は戻る、ということでいいですか?

GM : いえす。効果は重複しません

ダリア : では、そのことを皆さんに向かって説明します。

エリカ : その説明を受けて、もう一口飲みます。

GM : おっけ、色と味を飛ばして、いきなり効能から行くかい?

エリカ : 行きます。

GM : ではダイスどうぞ。

エリカ : (ころころ) 6 。

GM : 「にゃー」(笑)

ゴーシュ : 「都会は厳しいのだ」

マール : なんでもとかいのしわざ(笑)

エリカ : 語尾が猫化ですね。そしてなぜかMPが3点回復します。

GM : では、エリカは身体は女性に戻ったが、語尾にニャがつくようになってしまった。

エリカ : 「戻った……ニャ」

GM : あ、ダリア先生の効能をまだやってなかったニャ。

ダリア : ……気付かれてないと思ったのにぃ!(笑)

GM : ふっふっふ、では1D6を3回。

ダリア : (ころころ) 1 、6 。

GM : 赤くて癖のないお茶。ハーブティーとかかな?

ダリア : そしていよいよ効能。(ころころ) 6!

GM : ニャー!! (爆笑)

ダリア : 多いですね!?(笑)

エリカ : 過半数が語尾が猫になるとは……。

GM : でもこれでダリア先生のMPは全回復です。

ダリア : 「と、こういう効能があるんです……ニャ。……にゃ?」

マール : 「あーしは止めとくー。なーんかおいしくなさそーだしぃ」ここは申し訳ないがスルーさせてもらいます(笑)

GM : では、マール。

マール : はい。

GM : あなたは暇そうにそのへんをプラプラ見ていると、草木の間からミュージックボックスが置かれているのに気がついた。

マール : 「お?」

GM : 音楽の発信源はここからだったらしい。状態は良く。持って帰れば1000Gで売れるだろう。

ダリア : ほうほう。……売らずに、アシュレイちゃんが時々聞くのに使ってもらう手もありですね。

エリカ : 「……」

GM : なにせ、300年前の流行歌が入っている。欲しがるコレクターは多いだろう。

マール : 「おっし、アシュレイの宿にでも買い取ってもらうか」

ダリア : 「ああ、食堂で流したら、客寄せになるかも知れませんにゃぁ」

GM/アシュレイ : 「うん! ボクも聞きたいニャ! ありがとうニャ、マールお姉ちゃん」

GM : では、お茶に関してはひとまずおしまい。

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