客間

 ドアを開けると、そこは普通の客間でした。

 ベッドとテーブルにソファ、そしてチェストが置いてあります。右手には上へと続く階段があります。


マール : とりあえずまた探索かな。

ダリア : エリカさんとゴーシュさん、お願いします。

エリカ : 「……」(コクンと頷く)

GM : 探索するまでもなく、ベッドとソファとチェストしかないです。

ゴーシュ : チェストを調べないと。

GM : アシュレイはベッドがすごくふかふかなのに感動していますね。「うちの宿にほしいなぁ」

GM : では、スカウト組、チェストを調べますか?

ゴーシュ : 調べます。

GM : 正確に言えば、チェストを開ける前にチェストそのものを調べますか?

ゴーシュ : なるほど。じゃあチェスト自体を調べますね。罠とかないか。

GM : OK! では、探索判定、目標値は10。

ゴーシュ : (ころころ) 10。

GM : セーフ! 無防備に開けようとすると、毒針が飛び出す仕掛けを発見する。

ゴーシュ : 「ほらな? ダンジョンの中は危険なんだ」とアシュレイに教えます。

GM/アシュレイ : 「わー、ボク、ベッドふかふかしちゃった。もうしません」

ゴーシュ : 「ベッドの中に毒蛇がいるかもしれないぞー」

ダリア : 生きた教育ですねぇ。

GM/アシュレイ : 「いやー! へびこわい!」

ゴーシュ : とりあえず罠解除かな。

GM : 罠を無効化するには解除判定、目標値は12。

ゴーシュ : (ころころ) 8で失敗。うむ。だめだ。

GM : この罠には2回挑戦できます。でも3回目を失敗したらブスリ。 ちなみに威力は12点の毒ダメージ。防護点無視です。

ゴーシュ : 「こういうのはエリカの方が得意なんじゃ……」

エリカ : 「……」(チェストに近寄って自前のツールで解除したいです)

ダリア : 防護点が関係あるならゴーシュさんにお願いしたいところですけど、無視となると器用高い方が、ですねぇ。

エリカ : 解除判定行きます。(ころころ)14で成功。

GM : おおー! 無事に罠を解除できました。

ゴーシュ : 「ナイスだ」

ダリア : 素晴らしい!

GM : 宝箱には600G相当の宝石が納まっています。

エリカ : 「……」(毒針をチェストから取って、危なくないよう、布で包んでその辺に置いておきます)

ダリア : しかも宝石が結構お高いという。

マール : 600ガメルかあ。

GM : 今は実装されていませんが、妖精魔術の発動体としても扱える代物です。

ダリア : 色んな意味で価値があるわけですね。

GM : では、そんな宝石を取り出したのは誰ですか? 順当に考えればエリカですが。

ダリア : エリカさんになりそうですけども。少なくともダリアは取り出さないです。

エリカ : エリカかなと。

ゴーシュ : そうですね。

マール : なるほど。

GM : ゴーシュ、エリカの近くにいたか否か、1Dで決めましょう。偶数なら近く。奇数なら遠く。

ゴーシュ : (ころころ) 4。

GM : 残念。偶数は近く、ですね。

ゴーシュ : なんだろう。

GM : では宝石を外すと、連動して跳ね上げ床の罠が発動する。

ゴーシュ : おぉ(笑)

GM : おふたり「罠回避判定」に挑戦してみましょう。目標値は12。

エリカ : (ころころ) 13。

ゴーシュ : (ころころ) 14。

ダリア : わぉ、二人とも回避!

ゴーシュ : ひらっ。

エリカ : 「……!」(サッとはね上げ床をバク宙でかわす)

GM : ぐぬぬ……。では、華麗に罠を回避しました。

ダリア : 「……ね、アシュレイちゃん、気をつけないといけないこと一杯でしょ? 今のはエリカちゃんとゴーシュさんだから回避できたけど」と教材にさせていただきます(笑)

ゴーシュ : 「なかなか陰険な罠だなぁ。このハウスを作ったやつは相当性格が悪いな」

GM : もし罠に引っかかってたら、天井近くまで打ち上げられて、落下ダメージを負っていたでしょう。

ダリア : 全くです、どんなGMが仕掛けたのやら(笑)

GM : あははー。では、一通り調べてみた冒険者たちは、この部屋にこれ以上の罠はないとわかりました。


 ここでGM、ちょっと考える。せっかくここまで順調に頑張っている冒険者達に、なにかご褒美をあげたいなと。


GM : ついでにボーナスをつけよう。このふわふわのベッドで眠れば、ぐっすりと熟睡できて、きっと半分の時間(3時間)でMPが満タンになるに違いないと。OK?

ダリア : なるほど、OKです。

エリカ : OK。

ゴーシュ : オッケー。

マール : ではマールは「わーい、やばいふかふかそうだしぃ」と飛び込んでみます。

GM : ベッドはふかぁ、とマールの身体を優しく受け止めます。

マール : 「罠ももうないっぽいし、生地がいいのかすんごい寝心地」

ゴーシュ : そんなら休みますか。

エリカ : エリカはMP使わないので、万が一の時のために保存食食べながら見張りをしてます。

ゴーシュ : そういえば鎧着たまま寝れないゴーシュも見張りかな。

ダリア : MPが2しか減ってないダリアは悩み所ですねぇ。

GM : では、アシュレイはまるで部屋の作りがわかっているかのように、照明を落とし、間接照明に切り替えます。

ダリア : 「あら、よく操作の仕方がわかったわね、アシュレイちゃん」

GM/アシュレイ : 「え? うん、なんでだろう……? ボク、もしかして、このおうちに住んでたのかなぁ?」

ダリア : (もしかしたら、前世で来たことがあるのかしら……)と内心で考えます。

エリカ : 「……」

ダリア : 「住んでいた? ……確かに、それくらい慣れた手つきだったけれど」

マール : 「zzz」

ゴーシュ : 「さっきから明らかにそういう流れだしな……」

GM/アシュレイ : 「せんせー、もし、もしね? 前世のボクがすっごく悪い子だったら……、ボク、どうしよう?」

ダリア : 「そうねぇ……、反面教師、という言葉があるのだけれど、アシュレイちゃんは知っているかしら」

GM/アシュレイ : 「はんめん? ひとのわるいところをみて、じぶんはしないように注意する?」

ダリア : 「ええ、その通り。よく知ってるわね、アシュレイちゃん。もしアシュレイちゃんの前世が悪い子だったとして、今のアシュレイちゃんなら、それが悪いことだとわかる。むしろ、どう悪かったのか細かいところまでわかるから、最高の反面教師にできると思うわ」

GM : 「……うん、うん! わかった! ありがとう、せんせい!」

ダリア : 「ふふ、いいえ、どういたしまして。アシュレイちゃんの悩みが少しでも解消したら嬉しいわ」

GM : 「うふふ、せんせーだーいすき!」はぐはぐします。

ダリア : 「あらあら、私も大好きよ、アシュレイちゃん」と、はぐはぐ返しをしましょう(笑)

マール : (ヤレヤレ、幸せそうな顔しちゃってさあ。ま、外様のあーしが口を突っ込むのも野暮だしぃ)と思いつつ、あくびをする。

GM : よし。休憩したので、マールはMPを全回復して良いです。

マール : 「あー、よくねた。やあやあ、見張りありがとさん」

ゴーシュ : 「まあ頭を使う人には休んでもらわないとな」

エリカ : 「うん」(コクンと頷く)

GM : そして、保存食の乾パンをもそもそ食べたアシュレイ、「お茶があったらいいのに……」と、悲しい表情。

ダリア : ……ここは、お茶セットの出番でしょうか?(笑)

マール : 「エリカはあそこにまじらなくていいのかな?」

エリカ : 「……?」(首を傾げている)

ダリア : 「さ、マールちゃんも起きたことだし、お茶でも飲んで頭をすっきりさせてから上に行きましょうか?」とか言いつつティーセットを出してみたり。

マール : 「おー、ちょうどいいねー。あーしジャムマシマシでヨロ~」

GM : まあまあ、まずは全員、聞き耳判定。目標値は10。

エリカ : (ころころ) 12。

マール : (ころころ) 8。

ゴーシュ : (ころころ) 6。

ダリア : (ころころ) 9。

GM : では、エリカはその鋭敏な聴力で聞き取りました。 階段の続いている上のサロンから、かすかに音楽のようなものが聞き取れます。

エリカ : 「……? 上から……おんがくがきこえる」

ゴーシュ : 「さすが都会だな」

ダリア : これは都会関係ないような(笑)

ゴーシュ : 「いや、田舎ならこんなことはない」と謎のこだわり。

マール : 「都会だろうがなんだろうが、ここドールハウスの中だし」

ダリア : 「音楽? 自動演奏なのかしら、それとも……」

GM : 「!? この音楽……」

マール : 「知ってるのかアシュレイ」

ダリア : 「アシュレイちゃん?」と、飛び出さないように手をギュッと。

エリカ : 「……?」

GM : アシュレイはダリア先生の手を渾身の力でを振り払って、階段を駆け上がっていきます。

エリカ : 「あっ……」慌ててあとを追います。

ゴーシュ : 「ごらぁぁ!」と追いかける。

ダリア : 「アシュレイちゃん!?」と言いながら追いかけます。

マール : (あーあ。反面教師、に向き合うのはまだ先かなあ。まあ、それだけのことがあるんだろうね)と、一瞬ダリアをみてから、遅れて走り始めます。

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