第33話「十傑」

第33話


俺は魔法人形の前に立ち早速熱強化ヒートアップを10重でかけ、灼熱の魔眼というレイスさんから貰ったチート魔道具もつけた。

アーサーが聖剣を使っているように、俺もこれをつけてもいいだろ。もう入学試験は終わったしな。さて、本気でぶちかまそう。ちなみに今のステータスはっと……………


「ステータスオープン。」

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新門 宇宙 (シンモン ソラ)


攻撃力 25000+2500000 (10重+灼熱の魔眼)

防御力 25000+2500000 (10重+灼熱の魔眼)

体力  25000+2500000 (10重+灼熱の魔眼)

魔力  ♾

知力  計測不能

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使用可能属性 なし

特殊魔法 熱


使用可能魔法 

熱強化ヒートアップ:熱を自身に与え身体能力を飛躍的に向上させる。一重につき基礎ステータスを元と同じ分だけ上乗せする。十重まで可能。(十重時基礎ステータスの元の分の10倍分を基礎ステータスに上乗せする。)

分解アナリシス:自信を中心として、半径約2メートルの熱の球を展開し、敵から受けた魔法を純粋な熱エネルギーとして分解し、分析する。

反射リフレクト: 分解アナリシスによってできた純粋な熱エネルギーを魔法として再構築し、敵に反射する。

超新星爆発スーパーノヴァ:自身の拳に莫大な熱エネルギー量を凝縮し、集中させ、攻撃を放ったときに凄まじい爆発を起こす。

気流操作エアーフローオペレーション:熱によって気流や気圧などを操作し、上昇気流や下降気流を起こしたり、竜巻などを起こしたりすることも可能。

地震アースクエイク:大気を割るほどの衝撃を放つ。絶大な威力を持ち、大地を揺るがす。


称号  人類の叡智、無限の魔力、転生者、              

    神の加護を受けしもの

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レオナルド大将軍と戦ってまためちゃくちゃステータス上がってんな。毎日やってる筋トレ成果がとてもショボく見えてしまうほどに。やはり自主トレも大切だが、それほどに実践練習は大事で効果があるということだろう。


「さてと、もう撃つ魔法は決まってるからな。」


そう言ってさらに俺は魔力を最大効率、最大密度で練り始め、熱及び無限の魔力を身体中に循環させ、その後拳へと全エネルギーを回す。

すると高密度すぎるからかは分からないが拳が白いオーラのようなものを纏い始めた。それを見て俺は薄笑いをして、再び拳を構えた。


「よし、いくぞアース・クエイ、、、、」


ん、なになに?……なんなんだ!?

体が、、動、、かない。

ずっと目は見えているのだが、視界は白黒のようだし、体は指一本すら動かない。それに"ピキーーーーーーン"と耳鳴りのようなものもしている。明らかに普通じゃない、というよりかなりヤバい!!


"パチン!!"


俺がかなり焦っていると今俺たちのいる戦闘場の入り口の奥の方から指を鳴らす音が聞こえてきた。

そしてさらに直後俺の視界に色が戻った。なんだ?一見前世で少し話題になっていた催眠術みたいだが?高度な精神支配だろうか?

いやそんなことはないはず。一応ずっと警戒していたはずだ。いったい何なんだ………誰なんだ!?


"タンッ……タンッ……タンッ"


俺が思考を巡らせていると戦闘場の石畳を歩く音が聞こえてきた。

やばいな、と俺の本能的な何かがずっと警鐘を鳴らしている。誰も声をあげていないのを感じるところ多分俺以外も体が動かないのだろう。

それから少しするとまたさらに緊張感が増した。奥から足音しか聞こえていなかったがついに姿が見えたのだ。


真っ白で綺麗な人だな。


俺は俺たちに何かをし、戦闘場入り口から姿を現した張本人を見てそう感じた。

そいつは真っ白な制服を纏い、"剣"ではなく"刀"を持っていた。


あれは間違いなく日本刀だ。あいつも転生者か。ということは、あいつが十傑第一席ミナト エイシか。


さらに近づいてくるミナト エイシと思われる人物は本当にどこまでも真っ白で幼さが残るというか中性的な美少年であり、"才穎の白騎士"とはよく言ったものだと思った。


「君がシンモン ソラ君だね。」


ミナト エイシと思われる目の前の相手がそう話しかけてきた。なんだか頭がぼんやりとするし、ハッキリとは聞き取れないがそれも魔法が原因なんだろう。まぁ取り敢えずここの時点で俺たちを拘束しているのはコイツであるということは確定した。


「そうか、喋れなくて当然か。まぁそれなら仕方ないか。僕はエイシ、ミナト エイシ。ここの十傑第一席さ。」


そうか、やはりこの人がミナト エイシか。


「さて、シンモン ソラ君。………おっとその前にこの物騒なのは断ち切っておこうか。」


そう言ってミナト エイシは刀を抜いた。ミナト エイシが抜いた刀は刀身まで白く何やら白いオーラのようなものを纏っていた。

それを構え、振り下ろそうとした。


やばい、これマジのやつだ。動け!動け!動け!


俺は全力で意志の力で魔力を循環させようとする。この際暴発しても構わない。

だがそんな気持ちも叶わず、魔力は回らず刀は振り下ろされる。


あー、死ぬわこれ。


そう俺は確認して、つぶれない目をつぶろうとした。するとその時、


"ドーーーーーーーーーーーン!!!!!"

"バキ!バキ!バキ!ガシャーン!!!!"


という音が突如鳴り響いた。

俺の魔法が暴発して俺を守った?

いや、考えろ。今はそれよりミナト エイシの方が大事だ。

そう思い俺は首を動か……す。ん?動けるぞ。俺の何故か暴発した地震アース・クエイクがミナト エイシの魔法を砕いたのか!?

そう考えながら俺は煙の中で立ち上がるミナト エイシをに目を向ける。そして先程と同じようにして体内に魔力と熱を高速循環させる。


「いやぁ、痛ったいなぁ。僕の時間魔法で止めていたのに動くし、しかも魔法で君の魔法も打ち消したはずなのに。……どうやら君は僕の想定よりもいくらか強いようだ。」


俺は警戒を強める。


「まぁでも安心してよ、僕は君に危害を与える気はないよ。ただ君がさっき撃とうとしていた魔法は危険すぎたから時間を止めて学校を守っただけさ。僕は十傑だからね、分かってくれるかい?」


そう言っているが俺はまだ警戒を解かない。


「取り敢えず話を聞いてくれないかい?今はそれがお利口だと思うよ?」


ここでようやく俺が口を開く。


「悪いけど警戒は解けません。俺も貴方とは話したいことが山ほどあるけど、今は無理です。早く魔法を解いて下さい。」


俺はしっかり意思と威圧を込めてそう言った。

すると何でもないかのようにミナト エイシは微笑んで


「細かいことはあるけど、取り敢えず話し合うということは一致したね。悪いけど少し強引にいくよ。あぁ君以外の生徒に手を出すなんてことは間違ってもしないから安心して、そんなことしたら十傑じゃいられないからね。」


と言い、その直後ミナト エイシが消えた。なんだ!……今度は、俺は動ける。ということは時を止めてはいない。どこだ!?


「くっ何処だ?……

うっ……ミナト…エイシ…………」


俺はそこでいきなり攻撃を受け、気を失った。


***


「……こ、ここは?誰かいる?そうだ俺は………」


俺は意識が戻ったのだが、ここに何人かいるようなので一度盗み聞きをすることにした。


「ねぇ流石にやり過ぎたかなぁ?新入生に痛いことしたくなかったんだけど………」


「何言ってんの!?いいんだよエイシは堂々としてれば!ねぇ。」


「そうだぜ、エイシ。リンの姉御の言う通りだぜ。俺たちの代表なんだ、堂々としててくれ。」


「だからダルク!!隣でうるさく喋るな!!耳が壊れるだろうが!!はぁ……でもエイシ君は本当に凄いんだから堂々としていなよ。おっと、そんなこと言ってる間に件の新入生君が起きたようだよ。まだ4人しかいないけどまぁいいか。おーい、大丈夫かい?」


話からしてやっぱり俺はミナト エイシに連れ去られたんだな。それとここは十傑の集まる場所らしいが、声かけられたしもう寝たふりはできないな。てか大丈夫ではないだろ……何言ってんだよ。


「は、はぁまぁ体は大丈夫です。……それよりここは……?」


俺は立ち上がりそう尋ねる。するとミナト エイシが俺の質問に答えた。


「シンモン ソラ君。改めてよろしく、悪いね強引に連れてきて。あぁそれと安心して普通に君以外はすぐ解放して、ランド先生にも上に言って他の先生から事情は説明してもらってるから。」


まぁよろしくじゃねぇよ。だけど取り敢えず俺以外がちゃんと無事なのは最低限良かった。というかまぁ十傑が他の生徒に手を出すとは思えないしな。


「まぁ許しはしませんが、今は素直に聞くのが良さそうなので聞きます。それでなんで俺をここに?」


「それはあれだよ。十傑選定戦、君僕に挑むつもりなんでしょ。」


そういうとミナト エイシは微笑んだ。


「もし仮にそうだとして、なんなんですか?ここでは言いませんがミナト先輩も俺と同じことを考えているでしょう?だから俺はミナト エイシという存在と戦って勝利しなくてはならない。」


俺がそういうとミナト エイシは「おぉ言うねぇ……まぁ分かるけどさ。」と返してきた。

そう俺とミナト エイシとで話していると、


「なぁ私らも混ぜてよ。」

「そうだぜエイシ。」

「まぁそうだな。詮索はしないが興味はあるしな。」


と残りの三人が三者三様の反応をした。


「はぁ……それより貴方たちは?」


俺がそういうと、三人は一度今言ったことを取り下げ自己紹介をすることとなった。


「そうだね、悪かったね♪新入りワンコ君♪私は十傑第二席のリズだよ。エイシと一緒で貴族じゃないよ。よろしくね。」


髪がローズ?ラズベリー?みたいな色でなんか動物とかが好きそうだな。でも凄く美人だな。それにしても第二席か。


「次は俺だな!!俺はダルク!!ムガル・ダルクだ!!ムガル家長男だ!!よろしくな!!新入り!!」


うーん……ゴツい。ハンマーとか振り回してそう。この人は第何席なんだ?そう思っていたが、その疑問次の人の自己紹介ですぐに解決された。


「だからダルク何回言えばいいんだ!はぁもう、すまないねシンモン ソラ君。君を一度ここへ無理矢理連れてくることを推奨したのは僕なんだ。」


あんたか。なんか見た目は頭良さそうでいかにも頭脳派って感じだけど…………

俺はそう思いながら警戒心を強めた。


「まぁ悪いのは僕らだけどそんな目で見ないでくれ、君がなんかしたら危険因子となり得ると判断したからなんだ。例えば、さっきだっていくら学園が丈夫だからといって君がさっきのあれを放っていたら確実に学園の一部は崩壊していた。悪いがこれに関しては言い切れる。以前ここのバカ…じゃなくてダルクが全力でやった時も崩壊しかけたのだからな。それよりも遥かに強い君の魔法が放たれてしまったらもうどうなるか………分かるね?…あとは君は情報が全然ないのにも関わらず、すぐにそれも大胆にデカいことをしようとする。それこそいきなりエイシに挑んだりね。いいかいつまり僕として、いや十傑として下した判断は君は良くも悪くも規格外で現時点では十傑での監視が必要ということだ。」


なるほどね。………十傑の人たちから見たら、今の俺はそんな感じの存在なんだな。


「あぁごめん、それと僕は十傑第四席ロイ、ちなみにさっきダルクは十傑第三席だよ。あと勘違いはしないで欲しいんだけど、別に僕はエイシに挑むことを止めたりなんてことはしない。別に十傑選定戦で戦ってもいいしね。それに監視といってもあくまで万が一に備えてってことだからね。」


それは良かった。ていうかここにいる四人が十傑上位四席ってことか、凄いな。まぁ俺としては勝てなくてもミナト エイシには挑むつもりだけどね。


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