第13話「神話級との死闘」

第13話


「さてさてさて………ついにご対面だな。」


俺はもうすでに黒龍の目の前にいた。俺は魔力が無限であるおかげで、この大規模な気流を操る魔法をずっと展開していても、疲労がほとんどない。


「なぁ黒龍さん、前にアンタが殺したやつで聖剣使いの人っていたか?」


俺がそう聞くも、黒龍はまるで何もないかのように俺の真正面から再び強力な雷の咆哮を放ってきた。まったく、本当に危なっかしいやつだな。


分解アナリシス……だからもう魔法攻撃は効かないんだよ!!反射リフレクト……自分が攻撃するたび、どんどん自分が傷ついていくだけだぞ。」


俺が言っていると、何やら急に黒龍が語りかけてきた。


『お主、奇妙な技を使うな。関心するぞ。だが、本当に我に勝てるとでも思っているのか?だとしたら……否!お前ら下等生物は我に蹂躙されるのみ』


黒龍は直接俺の脳内に不快なことを語りかけてきているのか。


「だけど黒龍……お前は今その下等生物とやらに押さえつけられてるんだぜ。そんなことで蹂躙?……笑わせるな。」


俺はさらに黒龍を挑発する。この様子なら挑発し続けたら上手くキレて体力を浪費し続けてくれそうだな。


『フンッ!小賢しい、こんなよそ風など!』


黒龍は叫ぶと、再びバタバタと翼を羽ばたかせ抵抗し始めた。いいぞ体力を削れ、そのまま。


そんなこんなで黒龍がどんどん嵌まっていくのを見ていると、少し経ってから黒龍が抵抗するのをやめた。なので、そこで俺は決着をつけるべく、黒龍の顔面に超新星爆発スーパーノヴァを打ち込みにかかる。相手が弱みを見せた時は冷静かつ徹底的に、だ。


「それじゃあ黒龍さん、もう終わりにしよう。これまでお前はレイスさんの仲間含め多くの人を殺めたんだ。だからお前も死ぬ覚悟はできてんだよな!!人間によって地獄に落とされろ!!」


"ドゴーーーーーーーーーーーーン!!!!"


俺がそう叫び、すぐさま黒龍の顔面に超新星爆発スーパーノヴァが打ち込まれた。


「はぁ…はぁ……流石にやったか?なら取り敢えずレイスさんたちのところに俺も向かおう。」


俺は少し呼吸を整えると、レイスさんたちと合流すべく、街へと向かおうとした。

…………だが、それはかなわなかった。


『まぁ待て、人間。我をここまで奮い立たせたのだ、もう少し付き合え。そしてそのまま死ね。いくぞ臨界突破オーバードライブ


黒龍が語りかけてきたのだ。また、そう黒龍が言うと黒龍の体の周りに蒼い雷光が轟き始めた。


「…………おい、今まで本気じゃなかったのかよ。そりゃ上手くことが進みすぎてるなとは思ったけどさ…………お前やっぱり性格悪すぎだろ!」


おいおい、レイスさんとの約束守れないかもしれないな。冷や汗垂れてきたし……本気で死ぬかも。


『さぁこい。楽には死なせんぞ。』


「もうここまできたらとことんやってやるよ!!さて第二ラウンドといこうか……黒龍!!」


俺はそう言うとともに、すぐさま全力で自身の周りに熱を高速で回転させた。取り敢えずこれで相手の攻撃は通じないはずだ。


『整ったか?人間。それなら行くぞ』


そう蒼い雷光を纏い輝いている黒龍が言うと、今度は鋭い爪に雷を纏わせこちらに殴りかかってきた。


「ヤベェ、物理攻撃は聞いてねぇぞ!」


俺は慌てて横に飛び回避する。黒龍の爪が俺の目の前を通過したその直後、爆発が起きた。そして俺は回避したあと、その雷によって起こった爆発を打ち消すために分解アナリシスを使った。

爆風が収まりあたり一帯を見たら、俺が前に超新星爆発スーパーノヴァ魔物大暴走スタンピードの時に打った時のように、クレーターができていた。なんならそれだけでなく、空間を切り取ったかのように木も土も、音さえも削がれていた。つまり似てはいるが、俺が放った超新星爆発スーパーノヴァなんかよりも遥かに強力だということだ。


「おいおい、強すぎだろ。……これが本物のドラゴンクローってか!?」


こりゃ一発でもまともに食らったら一瞬であの世行きだな。何とか爆発とかを防ぐ手段はあっても、物理攻撃を防ぐ術は持ってないからな。

……はぁ、だから問題は高速なドラゴンクローを全て回避しつつ、どうやってダメージを与えるかだ。


「さて、どうしようか。……………ん?」


俺はそんなことを思い悩んでいると、黒龍のちょうど首筋のあたりに剣で斬られたかのような傷があり、鱗が無くなっているのに気がついた。


「あれは……聖剣使いさんが残してくれたのか?そりゃありがたい。聖剣使いさん、貴方が命を削って戦って、つけてくれた傷のお陰であの黒龍を倒すことができるかもしれません。………もし、俺が倒すことができたなら、生き残れたなら…レイスさんにちゃんと話しておきます。彼女は今も頑張っているので。」


……よし、とりあえずあの傷を徹底攻撃だな。俺もトコトン性格悪く行くとしよう。

あの古傷はちょうど首筋のあたりあるから、あそこに大ダメージを与えたら確実に絶命させることができそうだ。


『人間よ、ブツブツとうるさいぞ。其方は我を奮い立たせたのだ。遺言くらいは聞いてやらんこともないから、ハッキリ喋れ。』


「……じゃあ黒龍さん、言わせてもらうぜ。もうこの勝負は俺の勝ちで終わりだ。いくぞ!!」


俺は再び超新星爆発スーパーノヴァを放つために熱を拳に集中させる。


「さてと今回は傷の部分、狙う部分が小さいから超新星爆発スーパーノヴァを今までみたいに大砲のようにして打つのではなく、日本刀で放つ斬撃や居合切りのようにして打つべきだな。首を討ち取るためにも、そうするのがいいだろう。」


俺は引き続き拳に熱を集中させながら、全速力でドラゴンの死角へと回る。そして、移動した足元の方から首筋を狙う。


「おら、これでどうだ!!超新星爆発スーパーノヴァ!!」


俺の作戦通り、日本刀のようにして爆発を絞って放った超新星爆発スーパーノヴァは黒龍の首を捉えた。


「よし、入った。やったか!?」


完全にやっただろ。俺はそう思っていた。だが黒龍にも知能があるし、耐久力は化け物レベルだ。まだ生きていても不思議ではない。


『グヌゥー、痛いではないか。お主のお陰で思い出したぞ。お前と同じく一人で我に立ち向かってきた剣士がいたなことを。だがまだ我は死なぬぞ。お主の姿が消えた時から体内にも電撃を回していたからな。お主のダメージも軽減できたわ。』


はぁ、こいつ頭いいなクソッ。なら、タイミングが分からず、また遠距離からの攻撃を放つのがベストか。ってことで、また魔法作るか。


「黒龍は、体内にも電気を回してんだよな……。」


それならまず傷の部分を捉えた後に、黒龍の体内の電気までを切り裂くための熱斬撃が必要だな。そしてそれに加え、黒龍の首を討ち取るきるための熱斬撃も必要だ。つまりニ段構えでいく必要があるか。

問題は、一回の斬撃で黒龍の電気を切り裂けるかということかだが、これに関しては賭けるしかないな。

それに今は、黒龍だ飛び出せないように気流操作エアーフローオペレーションも並列使用しているから、新魔法を生み出すのに集中しきれないし。


「なんだかいつもギリギリだが、何かもう仕方ないって諦めがついてきたな。まぁ、そんなことはどうでもいい。黒龍、お前を狩るために新魔法作るから、ちょっくら地面でも拝んでてくれ。気流操作エアーフローオペレーション。」


そう言って俺はさらに強い下降気流を起こし、黒龍を地面に押さえつけた。体力を多く使い、俺の攻撃もまともに喰らっている今、すぐに飛び出したり、攻撃したりするのはもう無理だろう。


「よしこれでいい。それじゃ早速………。」


まず熱の斬撃だが、命中するかについてはもう心配いらない。さっき俺が黒龍の首筋の傷のところに超新星爆発スーパーノヴァを放ったので、もう熱でとらえられる。だから防がれたりしない限りは確実にあたるだろう。

さて次に威力についてだが、これも心配はいらないだろう。何せただとにかく強くすればいいだけなのだから。俺魔力量無限だしな。うん、心配いらないな。

最後にニ段目をどのようなタイミングに打つかだが、これはあまり黒龍に察知されたくないから出来るだけ早くに打つということでいいだろう。

あとは、まぁ熱斬撃を可能な限り鋭くて強固で強力なものにするというくらいのことだな。


よし、それじゃあやるか今度こそ。

ドラゴン狩り………いや神話狩り。


「待たせな黒龍。今度こそ本当に終わりにしてやるよ。………………居合手刀"一閃"!!」


俺が魔法名を言って少し経ち、熱斬撃が黒龍の首に届いた瞬間


"ドンッ!!ズパーーーン!!!"


という音がなり、直後黒龍の首が落ちた。

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