最期の贖罪

ある女性作家へのインタビューを思い出します。
彼女が女子学生だったとき、彼女に恋をしていた大人の男性がいたが、友達が冗談を言ったために彼女はその男性に対して虚偽の証言をし、その男性は逮捕され獄中で死亡した。
彼女は自分自身を嫌い、作家になって、彼らが永遠に一緒にいる小説を書きました。この話は、彼女が自分の本についてインタビューされたときに出てきました。
本の中で彼らは結婚して幸せに暮らしました。

ある一人の女性がかつての恋人と再会したとき、恋人との思い出が語られる。

それは過去の後悔と懺悔。

彼女の悲痛な叫びに心を締め付けられてしまうはずです。ある人はお前が悪いと女性を批判するかもしれません。今更後悔しても遅いと見捨てるかもしれません。
それでも償おうとしている彼女の邪魔をする権利は私たちに無く、結末を見守るしかないはずです。

彼女の人生の中では一瞬だけの出来事、その一瞬を鮮明にそして生々しく描いていて、深く考えさせられる物語です。結末はぜひ読んで確かめて欲しいです。

タイトルの『最期の贖罪』の意味を知ったとき、私は自分のこれまでの人生を振り返ってしまいました。

女の身勝手な行動で分かたれた恋人。
その恋人を再び発見した女。

その贖罪が、とても締め付けられました。

彼女の胸のときめきや、優しさに耐えきれない罪悪感や、独りでグラスを見つめ続ける心情が伝わってきました。
似たような経験をしたことはないのに、共感できました。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（108文字）

ここまで自然な恋模様を描いた作品は初めて読みました。
文章は丁寧で無駄がなく、程よくスピーディー。
まごうことなき良作ですね。

恋物語が苦手な方でも、こちらの作品は大丈夫だと思います。
ぜひ、ご一読ください。

凄く良い作品だと思います。大人の人生経験をしてきた視点から見事に感動の結末を迎える。短いストーリーに凝縮された中身の濃い物語。もっと長編としていろんな経緯を読みたくなる作品でした。最後は鳥肌立ちましたね！

贖罪という重いテーマを美しくまとめてある作品でした。
罪の意識に苛まれるに至ったエピソードを散りばめつつ、主人公の想いを短いながらもしっかりと伝えてあるところが素晴らしいです。
短編なので、熱が冷めないうちに一気に読み進めることをお勧めしたい作品です。