葡萄色のなみだ　💦

このキリンは単に背丈（首）が高く物理的な遠方を見渡せるだけではなく、人々の心や様子も見える才能を授かってしまったのかもしれない。

出来れば、知らないで済ませられたほうが幸せな気も、しないでは、ない。

だけど、そんな彼（彼女？）をきちんと見ている人も、ちゃんといる。
そして、そのことが彼（彼女？）の心を救うことへと導かれる。

見え過ぎることも善し悪しだが、人の見えない何かをきちんと見てくれている人がいるのも、また、世の常としての真理である。
そんなことを考えさせてくれるおはなしです。

以前、釧路市動物園に行った時に、キリンを見ました。ハッキリ言えば田舎の寂れた動物園ですが、そのキリンは、動物園にキリンを呼ぼうと市民が熱心に寄付活動等を行って、それが実って念願かなってやっと来てくれたキリンです、ということが表示されていました。
現実には、キリンは望まれて動物園に招かれる人気の動物のようです。
本作品はキリンが主人公の童話で、自身の身体的特徴ゆえに見えすぎるがためにかえって自分のアイデンティティを見失ってしまう。
そこから、童話らしいオーソドックスながらも安定感のある展開でハッピーエンドへ。
みんなに望まれてそこにいる、って、いいな。そう、優しい気持ちにさせてくれる作品でした…続きを読む

心が洗われますよ。