第5話 [深夜特急]
[深夜特急]
さて、黒磯から先、八戸までは時刻表上では通過マークが続く。
しかし、運転停車といい、乗務員交代の為の駅停車が数カ所ある。
寝台で寝入っていると、深夜の駅に停車している事に気づいたりする事があるが
運転士の交代などの理由による「運転停車」がそれである。
規則では2時間をメドとして交代が行われるが
停車時間が惜しいような高速列車などでは運転士が二人乗務して
鉄橋の上などの危険の少ない箇所で交代が行われている。
かつて国鉄時代の東海道本線特急など、新幹線開業前の在来特急では
そのような運用がしばし行われたという。
もっとも、寝台特急の場合は夜間という事もあって
たいていは運転停車を行うように運用されていた、とのことだが。
車内の様子に気を配って見ると、減光された室内では話声も聞こえず
静かな夜である。
座席夜行のように談笑、酒盛りなどという情景はないようだ。
もっとも583系、横になった方が楽な寝台高さなので
寝そべって酒盛りもないだろうが。
先ほどまで車内を巡回していたような鉄道ファンたちの足音も聞こえない。
車番記録も終わったのだろう。
乗車した車両の番号を記録するのだが、興味のない方にはその趣旨が
理解できないかもしれない(笑)。
モハネ583-79 に乗車した、という事が想い出の一部になる、
という事なのだろう。その固有名を記録する事でより深い想い出になるのかもしれない。
後にどこかで、たとえばモハネ583-79を見かけた時に「ああ、あの日のあの車両..。」
と旅の記憶を振り返る事が出来るだろうから、なるほど、と思える部分もある。
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