スマホの中にいる本当の私

彼女が自分自身の選択に、良かったと思えますように。

クラスでハブられている女の子。
主人公は知ってしまった。
その子が読んでいる本、わたしも大好きなのー！
でも、主人公はみんなと一緒になってその子をハブっていたのです。
趣味が合う子なんてまわりにいなかったのに
発見したらあの子だなんて。

SNSの仲間がいるのですね。
応援してくれます。
ネットの向こうの仲間もよいものです。

ハブられてる伊藤さん。
本当はあっちゃいけないけど、よくある教室の風景。
主人公は、自分と同じ本を読む彼女が気になっていたけれど……というお話。

物語の中で自然に主人公の心の動きが描かれていて、とても丁寧で美しい物語でした。
短編としての完成度も高く、スッキリとした気持ちになれます。

みなさんも最後まで読んでみてください。

皆が伊藤さんの事を無視して、ハブるようになったのは。

皆が伊藤さんの事を無視して、ハブるようになったのは。


伊藤さんが読んでた本のこと、本当は話したかった。

Twitterでは本音を言えるのに。



メッセージ性あるお話でした。
スマホからもらえた勇気は大切にしたいですね。

学校って、好きなことすらステータスで、それだけで自分がどう扱われるかが決められてしまう。
だからSNSで本当の自分になれる人は、少なくない。
それはとても素敵なこと。

でも、現実で勇気をだして表現することだって、素敵な事だと思う。

学生さんに読んで欲しい作品です。

クラスメイトの反応が怖くて、好きな物さえ好きだと口に出せない。
いけないと思いながらも周りに合わせてしまう自分。
そこから、一歩踏み出し始めた主人公の心理と瞬間を切り取った短編。

等身大の爽やかさがあって素敵でした。カクヨムに集まる人たちなら共感することの多いテーマでもあるかなあと思います。おすすめです。