第6話 宴会
結論から言うと、三人は団体戦で無事優勝した。
タイトルは『三つ巴』。見事、自分たちと海賊、そしてクラーケンの対立を迫力たっぷりに描き上げた作品は、伯爵が所有する美術展に展示されることとなった。
個人の部門でも参加していたバッグ・クロージャーは、『遠吠え』という作品を描いた。そちらでも優勝し、上々の結果となった。
「乾杯の音頭を取らせていただきます! レインと申します!」
「自己紹介はいいから早よしろ」
「うっす! じゃあ乾杯!!!」
「「「かんぱーい」」」
色々省いての乾杯。舎弟たちと出会った酒場で、皆思い思いに飲み食いする。勿論、そふかたち三人組は未成年のためお茶などを飲んでいる。リアルに影響はないが、率先して未成年飲酒を犯そうとする者はいなかった。
「お疲れ様~」
「ほんとありがとね~」
「いや、こっちも楽しめたから、別にいいよ」
「それで……この召喚陣どうする?」
「売ろうそうしようそれがいいよ」
即答だった。そして流れるような早口だった。
そう。番長の豪運がここでも発揮され、当然の権利と言わんばかりに召喚陣がドロップしていたのだ。
「こーはいに渡した方がいいんじゃ?」
「嫌だね、あいつの戦力を増やしたくない」
「そふかってこーはいのこと嫌いだよね」
「あんま表に出さないけどな」
嫌悪感を露わにし出したそふかに、二人は思わず苦笑する。部活を辞めるほどではないようだが、嫌いなものは嫌いらしい。
「まぁ……止めを刺したのは君らだし……まぁ……うん……ね?」
「めっちゃ葛藤してて笑った」
「ってか、恩を売るって感じでそふかが渡せばいいのでは?」
「天才か??? 採用」
「やったぜ」
そんなこんなで、召喚陣の扱いが決まり、なんだかんだで宴会を楽しんだ三人だった。
ちなみに、この宴会費用は舎弟持ちである。奢る気は一切なかった。
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