いっそ、クラッカーを手作る。

 前項で「チーズクラッカー」にハマった旨を記していたが、引き続きハマっている筆者である。

 クラッカー消費量が、なかなかハイペースになった一時期、我が家に緊急事態が訪れた。


「あ、クラッカー切らしてもた……」


 一袋六枚入り、九セット一箱なんぞ、すぐに使い切ってしまう。うっかり買い忘れると、あっという間に我が家のクラッカーストックはカラになる。

 かといって、ストックだらけにすると嵩張って場所ばかりとるので、狭小住宅事情を抱える私としては、それはそれで困るのだ。


「いっそ、作るか」


 どうしてもチーズクラッカーを食べたかったので、その日、台所をゴソゴソして見つけた小麦粉(薄力粉)を見て決意する。

 大雑把な性格の私には、厳密な軽量など不要。とりあえず、ばっくりとそれっぽいものが出来れば良し。


(1)というわけで、材料:


 小麦粉(薄力粉) ゆるく山盛り大さじ5(一応計量すると60〜65グラム程度)

 油 大さじ2(1と半でも問題ない)

 水 大さじ2(多少多めでも問題ない)


 これを基本に、気分によってスリゴマやコンソメ顆粒、顆粒昆布だしの素や粗びき黒こしょう、粉チーズなどを適量加えて味変アジヘンを楽しむ。


(2)捏ねる。とりあえず、捏ねる。


(3)満遍なく混ざって耳たぶくらいの柔らかさになったら、オーブンシート(使用頻度が高いので繰り返し使えるシリコン製愛用)の上で、厚さ2ミリ程度になるまで綿棒で伸ばす。


(4)伸ばしたら適当なクラッカーサイズに切る。


(5)レンジのトースター機能で片面5〜7分ずつ両面焼く。(焼き加減はご家庭のレンジないしトースターで適宜調整してほしい)


(6)良い感じに焼き色がついて、全体的にパリッとしてたら出来上がり。


 以上。

 見た目にこだわる人は、焼く前にフォークで生地に軽く穴を空けておくと厚みが均一になるが、私はあえて暴れる生地の方が好みなのでそのまま焼く。

 時折、部分的にぶくっと膨れていると噛み砕く時が楽しい。


 油は基本何でも良い。

 サラダ油でも、米油でも、溶かしバターでも、オリーブオイルでも、ごま油でも、それぞれ風味が違ってバリエーションが増えるので良し。

 ダイエット中ですので! とオイルフリーしたい人は水加減で調整しても良いだろう。ただし、生地はその分縮みやすくなるのでカットサイズは考慮した方が良いと思われる。


 素朴だが美味。

 シンプル・イズ・ベスト。


 いかに市販のクラッカーが添加物だらけだったか、よく分かった。

 出来立てを食べるなら、余計な保存料や添加物など一切不要。むしろ、お財布にも優しくて経済的。加えて、微々たるものながらプラごみの削減にもつながるじゃないか。


 さすがに3分クッキングとはいかないが、計量からトースターに放り込むまでの所要時間は10分未満。思い立った時にすぐ食べられる範囲だと思っている。

 おやつにも酒のアテにもなって簡単便利。

 これからはクラッカーは手作る、と決めた我が家のクラッカー在庫切れ事件なのであった。

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