第17話女子に挟まれながら

あの後、外で言い争いを15分以上繰り広げた凍華と杏美の二人を置いてきぼりにして、ケーキ屋に入店した俺。

頼まれたのを購入し、イートインコーナーのカウンター席でモンブランを口に運ぶ。

店内は空いており、BGMが相俟って落ち着いた。

外の熱気と女子二人からされたキスが原因の火照りはひいていた。


10分後、汗だくの女子二人が俺を挟む形で椅子に腰掛けた。

険悪な雰囲気を纏わり付かせていた。

「ゆづっ!何で置いていったの?涼みながらモンブランをつついて、私のは?」

「凍華が食べたいのがどれか分からなかったし。限界だったから、あの炎天下に」

「おごって、っていう意味だってぇのっ!はいっ、は・や・くぅ~!」

「分かったよ......はい、これで良い?」

差し出された掌に700円を置いた。

「サンキュ、ゆづ」

一言お礼を言って、注文しに椅子から立ち上がり、その場を離れていく凍華。

凍華から聞いたことのない、だってぇのという迫力ある言葉を聞いた。

「ねぇ。先輩、私にはおごらないんですか?」

おごらないんですかって、おごってもらうのにその態度って。

「おごったら、帰ってくれるっていうなら」

「帰りますよ、今のあのかのじょは話になりませんしっ!」

「はぁー、はいはい......行ってこい」

ため息を漏らし、促した。


チーズケーキを食べ終え、さきにケーキ屋を出ていく杏美。

補足すると、補習の帰りで制服姿の杏美であった。

杏美のやつ、お礼も言わずに帰っていきやがったよ。

「大変だね。あの娘は」

杏美が居なくなり、一言呟き、コップに入った水を一気に飲み干す凍華。




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学校一の美少女は幼馴染なのに一向に靡かず、小柄な後輩がもうアプローチしてきて困ってる! 闇野ゆかい @kouyann

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