第10話愛依に付き合うことに

翌日。

午前5時20分。

寝ている俺の身体を揺すって起こそうとする愛依。

「ゆづにぃ~ゲームしようぅよっ!起きてよ、つまらないのぉ~」

「ううぅ......ああぁぁっ。凍華としてたじゃん、昨日ぉぅ......鬱陶しいのを見なくて、休めるんだよ。今日から」

低く、唸ってから二度寝を決め込もうと顔を壁に向けたところで、愛依が身体に跨がってきた。

「ゆづにぃ、何わけのわからないこと言ってるの!起きてよ、もうっっ!凍華姉ちゃんがいないんだもん。来てくれるまで付き合ってよぅ、ねぇお願いだからぁっ!」

左の頬を勢いよく引っ張ってきた愛依。

「いだだだだっ!わぁーったよ、わぁったから離して、手をっ!」

「はい、離したよ、手を。さぁっ、ベッドからおりてリビングに行くよ、ゆづにぃっ!」

愛依は、頬から手を離し、俺の手を握り手を引いていく。

瞼があがりきっていない目を擦りながら、愛依に手を引かれながら、自室を出て、階段をおりていく。


愛依は、昨日凍華としていたテレビゲームを起動させて待機していた。

俺は、キッチンでガラスのコップに注いだほうじ茶を、ごくごくと喉を鳴らし一気に飲みほした。

「ゆづにぃ~もう始まるよ~」

「はいはい、今いくってー」

俺は、テレビの前のふかふかのカーペットに胡座をかいてコントローラーを握る愛依の隣に腰をおろした。

「はい、ゆづにぃ。どこにするかゆづにぃが決めていいよ」

コントローラーを受け取り、ステージを選ぶことにした。

「ええー、ここなの?ゆづにぃ、優しくないぃ~」

口を尖らせ、コントローラーを握る手を大きく上下に振って、文句を言ってきた。

「選んでいいって言ったの愛依だろ。文句言うなって」

「だってぇだってぇー。勝てっこないもん、このステージっ!ゆづにぃに勝てたことないし、ここぉっ!」

「この一戦だけだって、このステージは。それなら文句ないだろ、愛依」

「うぅ、ならいいかぁー。今日はゆづにぃを倒すぅっ!」

「やれるかな、愛依」

ゲームが始まり、俺と愛依は、コントローラーを操作する。


昼食を摂ったのが11時20分で、12時過ぎにケーキを食べたいと愛依がねだり、ケーキを二人で買いに行くことになった。






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