第9話凍華は、頼もしい幼馴染
6時30分、俺と愛依、母親、凍華の四人で食卓テーブルを囲み夕飯を摂り始めた。
俺の隣が母親で、正面が凍華、その隣が愛依という感じだ。
夕飯のメニューは、白米、大根おろしがのったハンバーグ、千切りキャベツ、味噌汁。
「今日泊まっていってよ。凍華姉ちゃん、いいでしょ。夏休みなんだし」
「泊まりたいけど、部活があるから。ちょっと......」
凍華は、ハンバーグを口に運んで、悲しませないように考えて、断ろうとしている。
「えぇー、もっと遊びたいよ。凍華姉ちゃん、お願いだよぅ~ねぇ~」
愛依は、ごねて、我儘を言っている。
「凍華が困ってるから、やめてあげて。愛依」
「うう~ん。食べ終わったら、あと少しだけ遊んでよ。凍華姉ちゃん、それもだめ?」
唸ってから、往生際が悪く手を合わせ、頼み込んでいる愛依。
「それなら、いいよ。愛依ちゃん。早く食べ終わったら、いっぱい遊べるよ」
笑顔で返し、愛依の頼みを受け入れた。
「ゆづ、手がとまってるよ。今日は何か変だけど、どうしたの?キスでもしたら、もとに戻るかな、ゆづ?」
俺のことを、心配してくれている凍華。
「えっ。ああ、何か言った?聞いてなかった、ごめん」
「言ったよー、学校での女子達の態度が関係してるの?困ってるなら、相談のるよ、私ぃ!」
口を尖らせ、声音を変えず、頼もしいことを言ってくれる。
「まあ、ちょっと......二学期にはいつも通りになってると思うから。大丈夫......だと、思う。ありがとう、そう言ってくれて」
無理やり、笑顔をつくり、これ以上の心配をさせないようにこたえた。
「大丈夫そうに見えない......強がってるでしょ。キスしよっか、そうしたら少しよくなる──」
「いっいいよっ!キスなんてっ。凍華こそ無理してキスなんていいから」
「そんなに照れなくても。ハンバーグ、一口ちょうだい」
凍華の箸が俺の分のハンバーグに伸びてきた。
「うん、いいよ」
俺は、短く返した。
夕飯を食べ終えた愛依と凍華は、仲良くゲームを再開した。
その後、愛依と凍華は、一緒に風呂にはいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます