第3話下校中も隣を歩く

職員室を出ることができたのは午後6時。

説教は、一時間半にも及んだ。

俺は、杏美と別れ教室に置いてある通学鞄を取りに向かう。

教室に着いたところで、中からいちゃついているカップルの声が聞こえた。

ロッカーに入れてある通学鞄を肩に提げ、教室を後にした。

下駄箱で杏美が待ち構えていた。

「遅いじゃん、平塚先輩っ!夏休みは、どこに行きましょうか?」

「教室でいちゃつき現場に遭遇したんだよ。どこも行かねぇよ、お前といるとろくなことないし」

靴に履き替えて、校舎を抜ける。

「脈ないのによく粘るね、平塚先輩は。すごいなぁ~そういうとこが好きです、私」

「杏美だって脈ないだろ、てかいつも胸元が見えるようにボタンをかけてないけど、誘惑してんの?」

「きついだけだよ、触りたいとか揉みたいとか思ってんですか、ひぃ~らぁつかせんぱぁーい?」

「違うからな。どうしたら、俺から離れんの?杏美を見るのも嫌なんだけど」

「いつまでもこうやって離れなぁ~いっ!」

俺の腕に両腕を絡ませてくる杏美。

「はっなせぇよ、ほんと無理なんだけどぉー」


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