第6話


歳月が流れて。

オープン初日。

父親がビラ配りをしてくれたおかげもあってか

店は満席になった。父親の店でバイトをしてくれてる大学生の女の子ひとりが手伝いにきてくれた。非常に狭い店だが、少ないスタッフでやるには

このくらいの広さがちょうどよかった。

結局俺は、

料理人もやり、接客もやった。

俺のこと、覚えてくれてるひともいて、

なんだか嬉しかった。


「え、貴方もしかして、高級レストランに

いた?」


「はい!」


「覚えててくれるなんて光栄です!

こちら、本日のパスタです」


「きゃー、美味しそう!」


圧倒的に女性客が多かった。

想定していた客層は20代から50代の女性客。

だからこそ、デザートも凝っていたんだ。


「やだ、このティラミス、すごく

美味しい!!」



「気に入っていただけて嬉しいです」


「明日も来るわ!!とっても美味しかったから」


「サービスも満点よ!」



お褒めの言葉を頂戴し、一日目はかなりつかれたが、そんな疲れも吹き飛ぶくらいに

お客さんからのことばはとにかく嬉しかった。



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