第40話⁂陽介の決断⁉⁂



可憐なコスモスが優しい花を付けてゆらゆら風になびいている今日この頃。


弥生が樹里亜を連れて里に帰っていると聞き付けた陽介は、あんな双極性障害の異常な状態の達也と高齢の義母咲子を一緒に置いておいたらとんでもない事になる。

そう思い心配になり取るものも取り敢えず実家に帰ったのですが、やはり案の定とんでもない状況になっていたのです。


そして言い争いの挙句「クッソ————ッ!酷い事を言いやがったな——!全てお前が悪いんだ!俺を出し抜いて許せない!俺をこんな厄介者の落ちこぼれにしたのはお前のせいだ!お前さえこの家に来なかったら、俺は永遠にこの家の大切な跡継ぎでいれたんだ、それをお前のせいで!ワァ~~~😭お前なんか死ね————!」


涙を拭おうともせず鬼の形相で睨み付け””カ———ッ””となった達也はナイフを握りしめて陽介に突進していきます。


「キャ————!止めなさい!ワァ~~~ン😭」


母の余りの悲鳴に達也は我に返ります。

その場は治まったのですが、陽介には新たな不安が生まれます。

{こんな異常な現状を放ってはおけない!}


日本では禁止されているクロ―ン人間製造。

そんなとんでもない行為を何の罪悪感も無しに平然と、いとも容易く行っているこの異常な達也。

こんな事が世間に知れたら大問題どころか、この山城病院の信用は地に落ちます。

それどころか廃業にまで追い込まれる可能性も往々にしてあるのです。


この山城産婦人科の院長が法に反するクロ―ン人間を何体も作り出している等とんでもない話。

正常な判断が出来なくなっている異常な達也。

己の欲望のままに周りに迷惑をかける達也にはホトホト悩まされています。


{おまけに弥生のクロ―ンばかりを、愛する余りに何体も製造して、その挙句に失敗作をどう処理しているのか?愛と憎しみの果てに、散々愛した後に、可愛さ余って憎さ百倍、まさか臓器売買という事も考えられる?闇で高値で取引されているらしい?}


【臓器売買は、臓器移植のため、金銭授受を伴って、人間の臓器をあっせん・提供する行為。世界中で秘密裏に、あるいは公然と行われており、多くの事例が報道されている。しかしその実態はかならずしも明らかにされていない。臓器ブローカーの存在、世界的な闇取引ルートの存在が指摘されている。なお、金銭授受の有無は明らかでないが、本人や遺族の了解なしに遺体から不正に臓器を採取する事例も少なからずあるのです】

常軌を逸したこんな事が世間に知れたら大変です。


{このクロ―ン人間樹里亜は一体何処で製造されているのだろう?}



そして達也の行動を追跡したのです。

{一体何処に行くんだよ~?不気味な森の中?ここでクロ―ン人間作りをしているのか?ああああ!何か?物騒な建物の中に………?ああ!鍵を掛けていないな?そう言えば従業員らしき人物が何人か外を監視して居たな?}


そして数日後大体の様子を掴んだ陽介は、従業員が常時出入りする為、日中は鍵が掛かっていない事を確認。

コッソリ従業員の目を盗み建物の中に侵入した陽介はとんでもない光景を目の当たりにします。

{これは放っておくと大変な事になる!}

そしてこの施設を跡形も無く処分する方法を考えます。

{こんなとんでもない達也を生かしておいては後々取り返しが付かなくなる!}


もう達也を殺すしか???









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