異形の少女*🌺＊✰⋆*

第41話⁂達也殺害！⁂

ある部屋の一室の鍵を””カチャッ””と掛けて紐を持ち入って来た2人組。

「ナッ何しに入って来た？」

その殺気立った表情に何か胸騒ぎを感じた達也は、足をすくめ恐々椅子から立ち上がり後ろに後退します。

「仕方ありません。命令ですから！死んでもらいます」

「ヤッヤ止めてクレ————！俺がお前たちに何をしたと言うのだ、タッタタ助けてくれ————！」

鍵の掛った部屋を逃げ惑う達也、それを部屋の隅まで追い詰める2人組、そして等々追い詰められた達也は羽交い絞めにされ行き場を失います。

「ギャギャ————！タタタタ助けてくれ————！」

2人組の男に紐で締め殺された達也は別荘の秘密基地の焼却炉で跡形も無く焼却されたのです。

「デカシタゾ～！良くやってくれた！ワッハッハ～！ワッハッハ————！」

誰が誰に言っているのか？

異常な精神状態の達也の死は誰一人としてその死を悼むことなく、まるで厄介なゴミくずでも焼却するかのような扱いで焼かれて闇に葬られたのです。

哀れな達也。

最初からこんなきちがいじみた男ではなかった筈。

家族の過度な期待、更には優秀な到底叶わない陽介との対比に苦しんだ日々、只一人唯一愛した女性の一番有って欲しくない相手との裏切り行為、更にはもう絶対授からないであろうと思っていた我が子の誕生にあれだけ喜んでいたにも拘らず憎い陽介の子だったとは？？？精神的に壊れた達也の生涯は一体何だったのか？

只々家族からの過度な期待。

叶わぬ能力以上を求められ続け、只々血を吐く思いで悪戦苦闘した日々。

突然現れた完璧な陽介に全てを奪い尽くされた人生。

そんな幸薄い達也は死にゆく時に何を感じていたのか？

そんな無念の死を遂げた達也享年５９歳。

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弥生は何故こんなきちがいじみた達也と添い遂げたのか？

達也が亡くなる3～4年前には

いつでも離婚出来た筈。

それは達也の受け継いだ資産価値５億円の豪邸が達也名義で父勇から生前贈与されていたからに他ならないのです。

やはり父勇もいくら甥っ子と言えども陽介にはびた一文譲りたくない。

当然双極性障害の達也の行く末を心配して実子の達也にだけ渡るように生前贈与が行われていたのです。

又母咲子の資産、軽井沢の別荘も当然の事ながら可愛い息子達也の将来を案じて最近生前贈与されていたのです。

その総資産を見す見す失う必要は無いでしょう。

｛その他諸々で7億円近い資産をどんな事をしても我が手に！｝

でも税金が半端ないのでは？そうなのです。固定資産税＋警備費等＝200万円～300万円。年間諸経費をどう軽く見積もっても300万は下らないのです。

それはそうですが？

何と言っても世田谷の一等地に豪邸所有の資産家。

不動産売却や不動産投資（賃貸経営）等が出来ます。

軽井沢の別荘も昨今のＤＩＹブーム等により少し手を加えて売り飛ばすなり何なり出来ます。

その為にも何が何でも離婚だけは避けたかったのです。

随分以前から秘密裏に達也殺害に動いている人物を弥生は知っていたのです。

でも弥生はそんな酷い女では絶対無い筈。

誰かに操られているのか？

それとも弥生自ら達也の財産目当てに殺害の片棒を担いでいるのか？

それとも弥生本人が邪魔な手の掛かる、どうしようもない達也を財産目当てに殺害したのか？