第23話⁂貴理子の怒り!⁂
1996年11月下旬
日比谷公園の紅葉。
ビジネス街のオアシス雲形池の水面に映る色づいたイチョウやモミジの美しい情景と言ったらこの上ない美しさです。
秋から冬にかけてのイチョウ、モミジの紅葉黄葉が見事に色づいています。
優秀な貴理子は山城産婦人科・内科・小児科の副院長を兼務しています。
元来の仕事好きな貴理子は家政婦に任せて仕事復帰を果たしていたのです。
又陽介を一日中監視できますから。
それでも理事長兼院長の陽介も激務な毎日。
休息も必要です。
今日も3歳の一粒種の坊や遥斗とお留守番。
そこにこの日を待ち兼ねたように弥生がイソイソとやって来ました。
遥斗を眠らせてやっと2人の時間がやって来ました。
意気盛んな男盛りの陽介と女ざかりの弥生はこの秘密のいつ壊れるとも知れない危険な関係に身を投じ溺れ切っています。
どれくらい愛し合ったのか?坊やが起きて来ました。
************
その夜、陽介家では今にも割れんばかりの夫婦喧嘩が勃発しています。
遡る事2時間前陽介がタバコを買いに出かけたのです。
遥斗を寝かせ付けようと風呂に入れます。
その時に遥斗の洋服のポケットから💄口紅が””コロン””と落ちたのです。
「あら~ハル君この口紅どうしたの~?」
「おばたんが持ってた~!」
そしてお風呂に浸かりながら「弥生おばちゃん家に来てた~?」
「うん!パパと一緒にネンネちてた~!」
2人が愛欲に溺れている間に目を覚ました遥斗君は、傍にあった弥生の可愛いイチゴのポシェットに目が行き、その中の可愛い形の赤色の口紅を抜き取ってしまっていたのです。
貴理子の顔色がみるみる変わって行きます。
陽介がタバコを買って帰ると貴理子が仁王立ちになり待ち構えて
「あなたこの口紅は何?私に隠れてまだ弥生さんと関係が続いていたの~?何故?遥斗までいるのにどうして~?ワァワァ~~ン😭」
「許してくれ!もうどうしようもない別れてクレ!お願いだ!」
「何故?私の気持ちが分からないの~?もう子供だっているんだから現実を見てちょうだい!あなたさえ会わないと拒否すれば弥生さんだって会いに来れないんだから!お願い!ワァ~~~ン😭」
「別れてクレ!頼む!」
「死んでヤル~!」
そして睡眠薬を煽ったのです。
「ナッ何をするんだ!」
処置が早かったので事なきを得たのですが、貴理子の心の傷は想像以上のものがあります。
もちろん陽介も心配しきりですが?担当医の7歳年下の29歳の医師木村が甲斐甲斐しく世話をしてくれます。
実はこの木村医師、人の命を預かる重要な仕事の重圧に苦しんでいたのですが?副院長貴理子の「ドンマイ!ドンマイ!」といつも勇気付けてくれる太っ腹の大きさにいつも救われていたのです。
そんな時に貴理子が睡眠薬を多量に服用したと聞き{あんな優秀な副院長が誤飲など考えられな!何かあるに違いない?こんな時こそ何とか力になりたい!}
そして微かに陽介と貴理子の夫婦関係がこじれての服用だという事が噂話に漏れ聞こえて来たのです。
「僕は今副院長の担当医です。睡眠薬の方はもう問題ありませんが、精神的な問題が大きいです。何があるのですか?全て話してください」
そして貴理子も家の恥は絶対口外しないつもりでしたが、徐々に木村の温和な人柄に話し出したのです。
貴理子も木村に話す事によって徐々に救われていったのです。
回復してからも徐々に距離が縮まった2人は陽介の休みの日などは仕事終わりに一緒に飲みに行く程にまでなっていたのです。
実はこの木村、医師としての将来に明るい展望などある筈がありません。
三流大学医学部を卒業した身、精々民間病院での飼い殺しで終わるのが関の山。
そこで考えたのが、この男にうぶな決して美人ではない貴理子を上手く手なずけて、{あわよくば副院長の座を}と目論んでいるのです。
医師としての力量はさておき、ルックスはかなりの物、あんな冴えないおばさんを落とす事など朝飯前。
そして等々過ちを犯してしまったのです。
2人でお酒を飲みながら何時ものように夫の愚痴を肴に酔いつぶれた貴理子にキスをアッ失礼しました。この日は木村はお酒を一滴も飲みません。
夜遅くまで飲む時は木村はアッシ-君です。
電車が有りませんから。
そして有ろう事か愛車レクサスの中でカーセックスを。
欲望の権化と化した木村は貴理子のグラマラスな身体にむしゃぼりつきます。
荒々しくワンピースの中に強引に手を忍ばせ、剝ぎ取り荒い息使いで「あんな男など忘れなさい。僕が理事長の事を忘れさせてあげます。いいだろう!」
まだ若い木村は欲に任せて貴理子の唇を身体を貪り尽くします。
「*⋆・♥。*あああ~*⋆・。💋*⋆・。」
そして又新たな愛の形が形成されるのです。
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