第22話⁂樹里亜に危機が迫り!⁂
「こんな失敗作、臓器を抜き出して安く売り付けておけ!」
「そっそんな~?可哀想に~!お父様が黙っちゃいないですよ!」
「フフフそれはどうかな~?」
「ギャ————————!」
一体誰の悲鳴なのか?
あれ以来、樹は樹里亜の事が気掛かりで仕方がありません。
{何故?良いとこのお嬢様をあんなに邪険に扱うのか?アジア人をバカにしやがって!}
それでも尚、胸騒ぎを感じた樹は、ある日等々あのウール-ズ修道院にコッソリと侵入したのです。
広い敷地内には病院も併設されています。
「確か病院に入院中だと言っていたな~?何だか閑散としているな~?よ~し!片っ端から見て回ろう」
人の出入りの少ない病院内を用心深く見て歩く樹。
そして等々樹里亜を探し当てる事が出来たのです。
まだあれ以来、数週間しか立って居ないのに、目は落ちくぼみ青白いまるで死人のように覇気がなく{一体樹里亜には何が起こっているのだろう?}あまりの樹里亜の変貌ぶりに只々不安で押し潰されそうな樹なのです。
{よ~し!こっそり病室に侵入してみよう!}
すると防犯カメラで全てを確認していた強面男のガードマン達が樹に向かって駆け足で追いかけて来ます。
樹は慌てて逃げて逃げて何処をどう走ったのか分からないほど逃げて薄暗い不気味な建物に出ました。
とその時どこからともなく苦しそうな今にも息絶えそうな、うめき声が聞こえて来たのです。
「グウウウ~!ウウウウ~」
{何なんだよ~!一体ここは?}
暫く隙間に隠れていた樹は{これ以上探検して歩けば身の危険が及ぶに違いない!}
と思いその日は止む無く逃げ帰ったのです。
それでもあの美しい樹里亜の事が気掛かりで仕方ありません。
{夢にまで見た樹里亜にやっと会えたと言うのに、あんなに瘦せこけて一体どうしたと言うのだ!}
樹はまだ気付いていませんが?樹の心の奥深くに激しい愛が芽生えていた事を。
何とか樹里亜の近況が知りたくて又数日後にその病院前に向かったのです。
するとあの日には無かった高いフェンスがそびえ立ちその上を有刺鉄線が巻き付いていてとてもじゃないが危険で侵入出来なくなっていたのです。
異様な胸騒ぎ。
さりとてまだ20歳そこそこの若輩者の樹に何が出来ましょう。
「アアアアアアアアアア!!!」
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
2007年5月✕日
ある一室で「よくも俺を騙しやがって!殺してやる!アアアア————!お前が憎い!」
「誤解!それは誤解です。絶対違います。そんな恐ろしい事を!」
「フン!何が誤解だ?証拠があるんだよ。証拠が!!!」
恐ろしい罵倒が続きますが。その数週間後樹里亜ちゃんは交通事故で昏睡状態に陥ったのです。
一体誰があんな酷い罵倒を誰に浴びせかけていたのか?
又樹里亜ちゃんの殺害を依頼したのは誰だったのか???
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