第8話 うがいではなく水分補給がかなり効果的

感染症で特に気を付けないといけないのが、二次感染である。いわゆる処置に当たる人も看病している人も感染を拡大させないためにもかかってはいけない。それぞれに対して、いくつかの対策がある。

 真が二次感染の予防を意識したら画面が変わり、詳細について書かれていた。



【二次感染と予防方法】

飛沫ひまつ及び空気感染:飛沫感染は、字の通りではあるが病原菌などが感染者の体液などが[ しぶきとして飛ぶ ]それが直接粘膜に付着することで感染する。

[予防や対策の方法]

感染者や人とお話しをして感染の危険が出てきた時は…ハンカチやマスクで飛沫を防ぐ。水分補給を5分~10分間隔でこまめに行う。


・接触感染:感染者と直接あるいは物を介して病原菌を間接的に触ってしまい、それが粘膜に付着することで感染する。

[予防や対策の方法]

粘膜に付着させないために…細菌やウイルスなどが付着しているものを触った手で粘膜を触らない。手を流水で15秒以上洗うと菌は100分の1程度まで減る。石鹸を泡立ててから10秒~30秒程度全体を洗い、流水で15秒流せばさらに100分の1程度まで付着していた菌やウイルスが減る。



(画面での説明文と対策の部分で読んでもらうとわかるとは思うが、違和感に気付いて頂けただろうか。ここで、少し知っておいて欲しいポイントがある。対策にも記載しているが、うがいではなく水分補給がかなり効果的なのだ。)



画面を確認していると、未病状態の患者への水分補給の横の数字が一つ減り00:04となっていた。真はリトが飛沫感染の予防もせず近づいたことを思い出した。そうか、リトは薬草探しで走り回っていた。その時に汗をかいたことで水分が抜けてしまっていたのだろう。5分という数字は水分補給が上手くできていなかった時の感染までの時間である。本来は、水分補給が上手くできていると10分程度の猶予がある。



「すみません。リサさん飲み水はありますか?」


「もちろん。ありますよ。」


「そうしたら、リトは一度水を飲んだ方がいいよ?」


「今、べつに喉は乾いてないよ?」


「これは、リトが感染しないために必要なことなんだよ。」


「は~い。ゴクゴク…ぷはぁ~。」



もし、飲み水がない時には唾液を溜めて飲み込んでも良い。余談になるが下で歯の表面をなめる様にぐるぐると舌を回して動かしたり、梅干しなどのすっぱいものを想像するだけでも唾液は出てくると思う。飲み水が用意できない時や仕事などの環境などで飲めない時には対策としては有効です。



「水が美味しい~。」


「本当は、水だけだと水分補給にはならないんだけど…感染予防にはなるんだよ。」


「なんで水を飲むと感染が予防できるの?」


「咳や感染者とお話しをした時には、口の中や喉の奥に菌が付着してしまうことが多いんだよ。だから、その菌を水を飲んで胃まで落としてあげるんだ。」


「胃まで落とすと感染しないの?」


「胃には、胃酸と呼ばれる食べ物を溶かすための強い酸が溜まっているから、菌も殺しちゃうんだよ。」


「へ~。物知りなんだね。」



【 未病状態の患者の水分補給の処置が完了しました 】

未病状態から回復しました。

-スキルレベルが上がりました-

問診 New< 2 >

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