第7話 感染症 対策

また、この透けている画面が出て来て、真に治すかどうか尋ねている。しかも、今回はケガではなく感染症の対応である。東洋医学では、風邪かぜのことを風邪ふうじゃと読む。読んで字のごとく外気を動かす風による邪なものが身体の中で悪さをしている状態を指す。知らない方も多いとは思うが、風邪を引いた時に鍼灸院へ行くことも出来る。薬以外の方法を用いて治るためのお手伝いをしてくれる。



「(風邪か~。俺はあまり症例数をみてないんだよな。)」



悩んでいる真だったが、その間にさらに『スキルを獲得しました』という音声も流れた。画面の文字を見てみると聞診ぶんしんを取得したようだった。先ほどの咳をした時に咳の音を聞き分けながら、患者さんの匂いで感染症の可能性を疑ったのが条件だったのかもしれない。不思議かもしれないが、患者さんの体臭で病気の可能性を疑う方法もある。



【 条件を満たしました 】

-スキル獲得-

New 聞診



「あとは、切診せっしんのスキルが取れたら四診ししん全てが揃うのか…」

「リサおばさん大丈夫?」


「大丈夫。大丈夫…ごほごほ」


「リサおばさんも、薬飲んでるの?」


「あ~。」



真が四診と呼ばれる東洋医学で患者さんの状態を把握するための方法を考えている間に、リクはリサおばさんの近くまで行き背中を擦っていた。かなり近づいてしまっているため、飛沫感染する危険性が高くなっている。これ以上感染の拡大や薬を作れる人が倒れてしまっても困るので、真はポケットの中に入れていたハンカチで口と鼻を抑えながらリサさんの近くに駆け寄りながら治療することを決意した。



「(もちろん。はい。)」



【感染症  風邪 咳+、熱++の処置を開始します 】

【感染症 対策】

・二次感染の予防

・未病状態の患者への水分補給 00:05

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