前のエピソード――#19 そして我ら星を眺め

"研究所"

正式名称は天使研究所。人々の概念が集結して実体化した「天使」を調査して収集する団体。人類の最初の感情を「恥辱」であると考えており、人類の根源に迫る天使たちを探している。一応財力と権力をそれなりに備えた団体ではあるのだが、その範囲は極めて狭い。主に関東圏に拠点を置く。

研究所を名乗り、団体の構造もそうなっているが、やっていることは科学的な意味での研究とは言い難い。その実態は「ちょっと頭の良い戦闘集団」などに近い。それでも"研究所"なのは人類の根源について調べることが目的であるため。冒険家とも言えるかもしれない。

小笠原諸島には管轄がおらず、沖縄に勢力のある団体とAng-005「満足」の所有権を巡って奪い合っていた。政治的な駆け引きで最終的に研究所は所有権を諦めることになったのだが、「満足」に個人的な興味を持つ琴似川は独断で先行し、今に至る。赤ヶ濠はそれを止めるために派遣された暴力装置のようなもの。

所長は財政界で絶大な権力を持つ片喰餡菜(かたじきあんな)である。彼女の曾祖父は戦後に商人で財閥の成立に関わっており、それによって得た財力が相続された今に至る。天使の研究は一般社会のあらゆる分野から隔絶されており、得られた研究成果も還元されない。それ故に普通の日本人は片喰餡菜と片喰家のことを知らない。

相模湖総合高校

神奈川県にある県立高校。相模湖の近くに位置する。この世界の相模湖はその周辺に大規模なランドマークを置く都市圏の1つであり、田舎にある学校であるというわけではない。皀理と都々と蛇姫は3組、赤嶺と書籍院は6組。少女先生は3組の担任である。