人とのコミュニケーションの必要性



「せ~んぱいっ♪」


おう。どうした。


「なんスか、そのリアクショ~ン。

 可愛い女の子が話かけてるんスから、

 もっと飛び上がったりしていんスよ?」


いやっほーいっ!

俺みたいな、

奴に話しかけてくれてありがとう、

俺うれぴー♪


「ひたすら、ウザくてキモかったッス。

 ご、ごめんなさい。

 それはともかくっスね」


オイお前。自分が振っといて、

リアクションしないで謝るって。

それ、マナー違反じゃね?

ちゃんと処理できんのなら、やるな。


「はい、ごめんなさい。

 で、ですね。

 今のやり取りを見ても分かる通り、

 せんぱいって頭いいのに馬鹿じゃないッスか」


おう……普通に謝るな、流せ。

頭いいとは思ってないが、馬鹿でもないと思うぞ。

(たぶん、

 これから何かを頼もうってんだろうのに、

 褒めと貶しを同時に入れるとか、

 斬新な交渉術だな)


「そうですね。だから~。

 一緒に英会話を習いましょ♪」


おう。いいけどな。

(すげーな。

 今の流れとその頼み方で、

 良く人がオッケーすると思ったな)


「日本の市場も経済もどん詰まり、

 つまりは今から世界市場に向けて動くべき時っス!」


そりゃいい事だと思うし、賛成だけどね。

それと、俺と一緒にやることって、

なんか関係ある?


「いや、自分より下がいないと、

 不安になるじゃないっスか!

 たまたま入ったクラスの人が、

 皆頭良かったら心が折れるし」


あのなぁ、そこは嘘でも、

センパイが一緒だと心強いんです。

とか、言っとけよ。


「なんスか、それ? キモイっスけど?」


お前はまず、読者の心を掴む前に、

俺の心を掴んでみろっ!


「じゃあ、行くッスよ」


…………おう。

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