第29話 結婚式

「それでは、花嫁の入場です」


 チャペルに音楽が鳴り響き、スタッフによって扉が大きく開かれた。

 そこには、父親の瀬戸菊夫にエスコートされる美月。

 ゆっくりと祭壇に向かって歩いてくる。

 

 いよいよ結婚式である。


 結婚式は粛々を進められた。


 讃美歌・聖書の言葉・誓いの言葉

 そして、指輪の交換


「これで、二人は夫婦となりました!」


 そして拍手で祝福される。


 最後に二人で手を組み、退場。


 深々とチャペルに向かって頭を下げる二人。

 そこで、扉は絞められた。


 健司と美月。二人の胸中に浮かんだ感想は、同じものだった。


”あぁ、やっと終わった”


 まぁ、披露宴に相当する食事会がこの後あるのだが。

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