第5話

ピンク色の布みたいな奴が、スルスルと

膝から、足元へと流れるように降りていった。

それから。

ピンク色のパンツが俺の目の前に

西野アイリの手によって差し出された。


「脱いだわ。これでいいでしょ?」


「な...」


「もし良かったらだけど。

あげてもいいわよ。コレ。だって、私の彼氏になってくれるんでしょ?シンジくん?」


「い、要らねーよ!!」


「なんだ、要らないのか。

男子はみんな、パンツが好きだと思ったけど

そうでもないのね」


「ほのかに温かいけど、触ってみる?」


「ば、バカ!俺は、触らないし、要らねぇ!」


今度は俺が赤面した。


くそっ...!掌の上で金髪ハーフ美女を転がそうと思ってたら、まさか、俺が遊ばれる側になるとは思ってもみなかった。


「とりま、この、パンツ。カバンのなかにしまっとくね」


「ああ、そうしろよ。

あのな、それにしても、誰も見てなかったから

いいようなもんだけど。

流石に、脱ぎだすなよな。いきなしよぉ」


「だってぇ。全然、私に落ちてくれないからさぁ。ちょっと強行手段に走っちゃったってゆーか?」


「....っ!」


「お望み通り、履いてない女になったわけだから、今日一緒に帰ってよね!」


「ええ...」


「何よ、その位してくれてもいいでしょう?

女の子をノーパンにさせたんだからさ!」


「仕方ねぇな」


「ふふん」


西野アイリは私が上よ、私の命令は絶対なのよ、と言いたげだった。


くそっ...!



俺はこんな女に振り回されるわけにはいかねぇのに!

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