第27話 優柔不断

「そうだ。吉岡はどうしたいんだよ?」

「そうよ!吉岡君も早く帰りたいでしょう?」


 藤島さんと田中に、同時に迫られた吉岡。

 その回答は・・・


「ちなみにエリザベスさんは、どうしたいのかな?」

「ワタシですか?勉強しに二ホンに来たので、早くカエッて授業をウケたいでス」


 それを聞いて、吉岡は嬉しそうに言った。


「そうだね。学生の本分は勉強だからね。早く学校に復帰すべきだと思う」


 それを聞いた田中は言った。


「おえめ・・使えないやつだなあ!」


 しかし、それは藤島も同じように思っていたのだった。

 ”だめだ・・・こいつ・・・”



 こういう、特殊な状況下で一番やってはいけないことは自分で決めないことである。

 他人の意見に振り回されると、ろくなことにはならない。

 自分で決断し、行動することで責任感が生まれやり切ることができる。


 他人の意見を尊重することを日本人はやりがちであるが・・・危機的状況下では命を失う結果になりかねない。




 藤島は思った。


 この、使えない男二人をなんとか引き連れて日本に帰らないといけないのか・・

 ハードなミッションになりそうだ。


 いっそのこと簀巻きにして荷車で運ぶのが一番手っ取り早いんじゃないだろうか?

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