第16話 脱走 (Side エルザ&藤島)

(エルザ視点)

 

 ちーっス!!

 エルザっす!!


 最初の爆発は兵舎の1階から。


      どおーん!!!


 続いて2階。


      どおーん!!!


 

「アラ大変」


 1階の爆発が思ったより小さかった~~~!。

 イメージしたのは、あっちの世界で見た動画。

 建築現場で、次々とビルが爆破されて綺麗に無くなっていく。


 それには、威力が足りなかった!

 残念!!


 ちっ!


 あの、陰険魔法使いヤロウをぺちゃんこにしようとしたのに。

 この程度だと、せいぜい大怪我させるくらいじゃないか。


 あ・・・っと

 藤島さんがこっち見てる。

 やばいやばい。




(藤島視点)

 エリザベスさん、舌打ちしてるよ。


 間違いない。

 この爆破は、彼女のせいね。



 きっと、これ・・・ヤバいよね。


 爆破は続いている。

 エリザベスさんがこっち見た。


 その瞬間につながる視線と視線。


 お互いにうなづく。




 そして、くるっと翻ると・・

 二人で一目散に走りだした。


 私は走ることには自信があったのだけど

 エリザベスさんも速い速い。

 スカートじゃなくてツナギを着ているのも幸運だった。



 この二人なら、逃げ切ることは楽勝ね。



「まってくれ~~」




 後ろから小さな叫び声が聞こえたけど。

 無視しよう。

 

 あいつらには、付き合っていられない。

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