第5話 立った!●●●が立った!
「立った!!セレスがたったよ!?」
「凄いわ!!頑張ってセレス!!」
「ああ、頑張れセレス!僕はその雄姿を忘れないよ!!」
「僕だって立てるよ!??」
「お嬢様可愛いーーー!!」
こんにちは。
はじめてのあんよに、家族含め使用人達の注目の的になっているアイドル乳児、セレスティア・ラル・シャンデール(0歳)です。
あれから魔族が国にちょっかいを出してくるようになったので、まだ0歳ではありましたがこっそり城を抜け出して魔王を倒しにでかけました。
魔法でテレポートして、魔王城に乗り込み、地下の闇の繭に封印されている魔王と、魔王城にいる魔族を一匹残らず根こそぎ撲滅してきたのですが、私が不在の間家族が気づいてしまったらしく、城中てんやわんやの騒ぎになっていたらしいのです。
慌てた私がベッドに戻ろうと格闘していたら、見つかってしまったのですが……緊張しすぎて思わず立ってしまい、家族全員が初めてのあんよに感動して声援をおくるというわけのわからない状態になってしまいました。
何ですか、このモテモテアイドル状態は。
おそらくこれが私の人生においてもっともモテ期の最大頂点だと思います。
立っただけでこんなに感動されるのは赤ちゃんの特権だと思います。
ちょっと嬉しくてぷるぷるしているのはきっと武者震いに違いありません。
決してチヤホヤされて超嬉しい。私モテモテなどと思っているわけではありません。
そう断じて!
「ああ、もう本当にセレスは可愛いいなぁ」
「いい子ね、よく頑張ったわ。動けるようになったのが嬉しくて出歩いていたのね」
と、涙ながらに私を抱き上げる両親と、「凄い凄い」とはしゃいでいる兄弟を見て私は思います。
いい人たちの元に生まれてこれて本当によかったと。
前世の記憶があるというあまり好ましい娘ではありませんが、どうかこれからよろしくお願い致します。
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