第3話 やつは四天王の中でも最強
おはようございます。セレスティア・ラル・シャンデール、転生幼女(0歳)です。
今日も元気に何も出来ない0歳児をやっています。
ベッドの上で寝がえりもうてず、だぁだぁ言うだけの簡単なお仕事です。
まぁ、やろうと思えば世界を滅ぼす事も可能な力をもってはいるのですが、それをやっても、自分を含め誰も得をしないので、今日も寝ていようと思います。
将来的に破滅フラグが待ち受けているようですが、正直魔王も歩けるようになれば倒せるので問題ないでしょう。
っていうかたぶん今でも倒せます。
3歳くらいになって呂律が回るようになったら、夜中にこっそり城を抜け出して滅ぼして来ようと思います。
ただ最近、遠隔で魔族を倒してしまったせいで、魔族がちょっかいを出してくるようになりました。
盗視くらいは許容すべきだったでしょうか。
赤子の思考力のためあまり将来性まで見通せません。
……大人だった時は見通せたはずです……たぶん。
先日も国の上空に視察にきた魔族がいたので、テレポーションをしてデコピンで倒したのですが、
「くっ……まさかこんな赤子が……だが、調子に乗るな……我は四天王の中でも最強……ほかの四天王が必ずやお前を……」
と、いうセリフを吐いて死んでいきました。
……最強じゃダメじゃね?
それはギャグで言ってるのか?と、生き返らせて問い詰めたかったのですが、眠くなったのでベッドに戻りました。
社畜のように働かなくてすむというのは夢のような話ではありますが幼児は少し動くと眠くなるのが難点です。
もう邪魔だから魔王軍を明日にでも倒そうと思います。
「本当に嬉しそうに眠っているね」
ベッドの中を覗き込んできて父が言います。
「将来どんな子になるか楽しみだわ」
と、母。
そうですね。少なくとも――私がいる限り、この王国が滅びるなんて事はないので安心してください。家族には指一本触れさせません。おやすみなさい。お父さまお母さま。
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