第10話
----死ぬ、、、助けて、、、
「おいおい、もうダウンか?もっと頑張れよ!まだ立てるだろ?ほら!立て! お前が戦い方諸々を教えてくれって言ったんだろ!」
「マジ、ちょ、やめ、、死ぬ!マジで死ぬから!これ以上やったらマジで死ぬから!!」
「ほら!早く構えろ!まだまだ終わらないからな!」
「嫌だ!俺はもう休みたい!やめて!あっ、あーーーー!」
---マジで死ぬ!
なんでこんなにも俺が死にそうかって?それは数時間前に遡る。なんでこの時の俺はこんなにも安易に頼んでしまったのだ、、、
---------------
前日にイリヤと共に図書館に行っていたが、やはり知識だけでは心もとないし、頭から抜けることだってあるだろう。だから俺は今、ギルドに来ている。昨日、それを思い至ってすぐにイリヤに尋ねた。
「なあイリヤ、ギルドって戦い方とか教えてくれたりするのか?」
「戦い方ですか?」
「ああ、そうだ」
「どうしてっていうのはおかしいですね。私たちはウルフに遭遇してしまったんですから」
「そうだ。あの時はどうにかなったけど、次はどうなるか分からない」
「そうですよね。でもどうでしょう。基本的に討伐依頼を受けられるのがDランクからなので、やらせてくれかいかもしれないです」
「そうか、でもまぁ行ってみる価値はあるかな?明日聞いてみるか」
「そうするのが一番だと思います」
「イリヤはどうする?聞く時に一緒に行くか?」
「そうします。やっぱりまたあんなことがあると怖いですから」
「わかった。それじゃあ明日ギルドに集合な」
「はい!」
そしてギルドに来てマイさんに聞いてみた。
「マイさん、ギルドで戦い方とかを教えて貰えたりしますか?」
「戦い方ですか?」
「はい。それ以外にも聞きたいことはありますけど、最低限身を守れるようになれるようにはしたいので」
「普通だとあまりFランクの方にすることは無いのですが、カズトさん達は一度魔物と遭遇してますしね。わかりました。戦い方を教えて貰えるように手配しますね」
「ありがとうございます!それっていつから出来ますか?」
「ちょっと待ってください、、、今日から大丈夫だそうですが、どうしますか?」
なるべく早めにやりたいな。
「今日からお願いします」
「わかりました。それでは奥で説明しますね」
よし、今日からやれるのか。それはありがたい。これは最優先事項なわけだからな。
「カズトさん。今回の担当の方は厳しいですけど頑張ってください」
ん?今不穏な言葉を聞いたぞ?いや、厳しいことはいいんだけど、、まぁ大丈夫かな?
なんて思ってた時期が私にもありました。
はっ!キツすぎて一人称まで変わってしまった。
俺たちの担当をしてくれたのはギルマスでもあり元S級冒険者だった人だ。名前はバーレスクさん。
最初に顔を合わせた時は豪快そうな人だなー、とか呑気なことを考えていたのだが、訓練は端的に言って地獄だった。
まず、初めに今の俺たちの力を見るためだと言われイリヤと二人でかかってこいと言われた。俺はそこで能力は使わなかった。それでは意味が無いと思ったからだが。
そのおかげで遠慮なくボコボコにされた。完膚なきまでに叩きのめされた。ステータスの問題ではない気がした。技量も何もかもが圧倒的にこちらを上回っていた。
そしてそこからが酷かった。何がキツいってまず、筋トレなどの基礎練だった。それはいい。でも規模がおかしい。腕立て、腹筋、背筋の他に素振りやら、走り込みなどがあったが、走り込み以外は全て二百回ずつ。走り込みは百メートルぐらいを百本。
死ぬて。普通。俺、そもそもそんなに運動してないし。最低限ぐらいはあってもそれ以上はないって、、、
隣でイリヤも伸びている。
そして基礎練だけでない。その上で、立ち会いだ。剣術を学ぶためだ。だがしかし!それもおかしい!だって!何回もボコボコにされるのに、あの人!自分が回復魔法を使えるからって俺たちに使ってきてすぐに「もう一回!」って言ってくるんだよ?!何?なんなのあの人!
それのお陰で俺もイリヤも完全に燃え尽きてる。
だと言うのに、、、
「まだまだだぞ!ほらカズト!立て!」
これだよ、、、マジで死ぬ、、、
「この程度じゃイリヤのことも守れんぞ!なんだ?それとも守ってもらうのかw?」
ビキッ、ビキビキッ、、よし、コイツは俺の逆鱗に触れた。
「やってやろーじゃねーかよ!!!あぁ?!その言葉撤回させてやらァ!」
「ハッハッハ!その調子だぞ!」
「うらァァァァァ!」
---ちくしょう!上手いこと乗せられたじゃねえかよ!
結局、あのまま勝つ事なんて夢のまた夢のような状態のまま一日目の訓練が終わってしまった。しかも最後はあの野郎の口車に乗せられてしまった。ちくしょうめ。あの野郎ぜってぇ見返してやる。
おっと、今更だが口が悪くなりすぎたな。
「カズトさん、、、今日と同じこと明日もするんですかね、、、」
「あぁ、、、そうだろうな、、、」
「ははっ、そうですよね、、、」
「ははっ、、、」
「ははっ、、、」
俺もだが、イリヤも壊れ始めている、、、
「帰ってしっかり休むことしかできないだろうからな、、、また明日、イリヤ、おやすみ」
「はい、、、また明日です、カズトさん、、、おやすみなさい」
-------------
すみません、時間を遅くしたのにも関わらず遅くなりました。一応八時更新の予定ですが、ちょっと時間道理にできないかもです。二日に一度のペースは崩さないようにします。読んでいただきありがとうございます。m(_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます