3月5日 跡の家
あっという間に3月ですね。段々過ごしやすい日が増えてきて、犬の散歩の時間にちょっと遠くまで足を伸ばすようになりました。長い間離れていたので、見知った場所が様変わりしていて最近は驚くことばかりです。
最初は全く思い出せませんでした。小さめのコンビニが建てられるくらいの空き地があるんですが、以前は何があったのか思い出せなかったんです。
家族に聞くと「ずっと前は塾だったでしょ。あなたが中学生の頃よ」と教えてくれてやっと思い出せました。
確かに、そこは昔個人経営の塾があった場所です。同級生も何人か通っていました。ところが3年生になった頃突然潰れてしまいました。
「あそこの先生、無責任よねぇ。受験まで間がないのに」と親達が話していたのを覚えています。
その跡地にコンビニが建ち、しばらくして次は和菓子屋さん、最後はコインランドリーが建っていたそうです。
つい最近まで、空き地は瓦礫の山でした。コインランドリーを崩してそのまま放置したかのように、コンクリートの塊が積まれていました。それがいつの間にか綺麗に撤去され、今は奥の方にぽつんと犬小屋があるだけです。無人の犬小屋です。いや、無犬?とにかく、小屋だけがそこにあるんです。
空き地の周りに民家はありませんし、新しくそこに家が建つ気配もありません。でも、小屋の前に水と餌が置かれているんですよ。誰かが毎日あげているみたいです。
そういえば、かつてそこにあった塾は2階建てで、上が塾長先生の自宅だったそうです。外に犬がいると同級生から聞いたような気もしますが、本当に犬だったんですかね。
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