第29話 チュートリアルは終了しました 〇

 第29話 チュートリアルは終了しました 〇

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 さて、ドラゴンの死体処理もつつがなく完了し、モグラのままこの世界を生きていくことを覚悟した。

 そんな俺は、またレベリングのため地下を採掘中だ。


 ドラゴンという圧倒的な力の持ち主は、目下最大の危機は去った。

 しかしそれは、新たな危機の到来でしかない。

 ドラゴンを殺した人類はもちろん、縄張りを避けていた魔物たちもいつここにやってくるかわからない。


 ここは一瞬の間楽園と化すが、その平和はすぐにでも崩れ去る。


 ここが人の街になるのか、魔物の群れにより魔境となるのか。

 それは全くわからない。


 が、どちらに転んだとしても、俺にもぐらにとってプラスになることはないだろう。


 魔物が来れば生態系は大きく変化し、地中でも気が休まらなくなるかもしれない。

 人が来れば、モグラは害獣でありその素材は高級品だ。


 どちらにしても、力が必要だ。


 とにかく、レベルを上げなければならない。

 いずれ来るとわかっている危機のために。


 ドラゴンの地面への突撃の衝撃は、こちらにも届いていたのだろうか?

 それともこの前に引っ越し騒動で、俺が焦っている危機が迫っているというのが伝わったのだろうか?

 モグラたちも、彼らなりにせっせとレベル上げに励んでくれているらしい。


 そして、ロティスは勢力の拡大に動いているようだ。


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 名前:ロティス

 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:小動物レベル

 配下:73匹

 exp税:15%

 所属:土竜(モグラ)配下

 スキル

 土竜下級 レベル92

 土竜中級 レベル10

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 配下が、ものすごい勢いで増加していた。

 おそらくわざわざ遠征して、モグラを見つけては配下にしているのだろう。


 弱くても、数は力だ。

 数が多ければできることも増えるし、強大な敵にだって勝てるかもしれない。

 ミツバチや軍団アリは群れることで、一匹では到底勝つことのできない相手に勝利するというし。


 それにしても……

 ロティスがちゃっかり税率を上げてる。


 このレベルの上がりようも、ほぼ税金だろこれ。


 もしかしたら、モグラたちがせっせとレベル上げに励んでいるのも危機とか関係なくロティスにやらされてるだけかもしれない。

 いや、きっと、多分……おそらく違うと思いたいが。


 まぁ、群れ全体の強化につながってはいるし、どちらでもいいのだが。


「はぁ……」


 正直今やっていることを続けたとして、人にも魔物にも勝てるようになるビジョンが浮かばない。

 いや、勝つ必要はない。

 ただ逃げ切れればいいんだ。


 でも……


 もちろん、いずれはと思い頑張ってはいるのだが。

 あの大怪獣戦争みたいなのを見てしまうと、どうも頼りなく思えてしまう。

 かといって、引っ越しも出来なかったし。


 あれぐらい強度のある場所に、いつでも逃げ込めるようになれば少しは安心なんだが……


 ……あ、できるかもしれない。

 俺一人じゃ無理だったけど、群れの数も増えたし。

 強固な家、いざというときに逃げ込むことのできる、シェルターを作れるかもしれない。


「ロティス、ちょっとついてきてくれるか?」


「キュウ?」


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 ー女勇者ー


「え!?」


「どうした? 地竜の死体になにかあったのか?」


「……ええ」


「なんだそんな声のトーン落として。虫でも湧いてたか? 勇者ならそれぐらいのことで」


「いいから見なさい」


「……これは!? 死体がない」


「きれいさっぱりね。物取りかしら?」


「いや、ここは地竜の縄張り危険地域だ。それに危険に見合うだけのものもない。だが、魔物が食べたにしてもここまできれいさっぱり……それもこの短期間で」


「危険地域と言っても、地竜は倒したんだしその情報どっかから漏れたんじゃないの?」


「いや、漏れるはずはない」


「王への忠誠心はいいけど、兵士だって人間。情報を持ち帰る途中で、」


「報告はまだ上げていない」


「……そう。もしかして?」


「ああ、穴のことが気になってな」


「やっぱり、何かいるのかしら?」


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 第一章【転生したら土竜でした】完結しました。

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『土竜転生』最強ドラゴンに転生して異世界無双!!そう思っていた時期もありました。ーーもぐらって読むそうです…… アレン @aren_novel_No100

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