第4話 転生したら土竜(モグラ)でした。 ※

 第4話 転生したら土竜(モグラ)でした。 ※

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 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:小動物レベル

 スキル

 土竜下級 レベル1

 土竜中級 レベル1

 土竜上級 レベル1

 土竜特級 レベル1

 女神の加護 ーー

 最高神の興味 ーー

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 ……あれ??


 土竜……どりゅう……

 モグラ……もぐら……


 ??


「土竜=モグラ!?」


 つまり、目の前でのたうち回ってるこのミミズは本当にただのミミズで、巨大タンポポやほかの視界をふさいでいる草木はただの雑草。

 世界樹みたいな巨大な木は、ただの木……


 マジで!?


 いや、でもあの時種族の説明欄は確かに……

 ステータスが、直視したくない現実を突きつけるかのように視界に居座る。

【土竜】をタップすると、


【土竜:体長2.6~21。名前の通り地中の中で過ごす。基本群れることはなく単独で生活し、それぞれの個体が縄張りを持つ。素材はその希少性と性能から高級品であり、貴族が欲してやまない……】


 ……


 体長2.6~21って……

 単位がない。

 俺が勝手にメートルだと思っただけ……


 地中で過ごす……

 単独で縄張り……

 素材が高級品……


 マジか……

 こんなのあり?


「転生したら土竜(モグラ)だったんだが……もしかして転生早々俺の人生詰みました?」


 と、とにかくこんなか弱い姿で、森の中地上にいるのはまずい。

 俺がモグラだったとして、この世界が異世界だということに変わりはない。

 100,000,000ptの選択肢にいた魔物が、実際に存在する世界だ。


 それに、モグラが地上に出ていてろくな目に合うはずない。

 どこかで、日光に弱いとかも聞いたことあるし……

 魔物とかじゃなく、普通の鳥に襲われる可能性もある。


 とにかく地下に潜らなければ。

 ここまでゲームみたいな世界観なんだ、クラフター魂に導かれるまま地下に潜るのが初心者の最適解に違いない。


 それに、地下にはレア鉱石もある……はずだ。

 異世界だし、ヒイロカネとかオリハルコンみたいな、元の世界には存在しなかった金属だってある……かもしれない。

 それで強化さえできれば、モグラでもなんとかなる……ような気がする。


 それに、鉱石採掘で経験値をゲット、強力な魔物に進化できるかもしれないし。

 モグラの進化先……あんま期待できないな。


 ま、とりあえず地下に潜って、それから考えよう。


 ……貴重な食糧だし。

 弱いとわかった以上、えり好みは出来ないか。

 一応、持っていこう。


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 ー名無しの女神様ー


「モグラが生きているだけじゃというのに、ここまでの力が流れ込んでくるのか……」


「どう、驚いた? まぁ、私から見れば、微々たるものなんだけど」


「じゃが、どうしてここまで。たかがモグラが」


「もともと信仰はこれぐらいの力を持つのよ。ただ、どこも利権が絡んでかなりの神に分割されちゃうの。私は、『異世界転生』と『異世界転移』が小さな神格のうちから、もっと小さな関連する神格を独占地ちゃったの」


「信仰をストレートに受け取れるんじゃな」


「その分、ほかが弱いんだけどね。最上位神の中じゃ私ぐらいよ、ここまで特化してるのは。みんな広くそれでいて浅いから」


「それは、かなり危ないのではないか?」


「ええ。メインの神格の信仰が薄れれば、一瞬で名無しまで落ちるでしょうね。でもその分、神格の成長の影響をストレートに受け取れる」


「……おぬし、すでに最上位神であろう?」


「……まぁ、ね」


「ふん、名無しの我が何を言ったところで、どうにもなるまいて」


「私の力は、転生者や転移者に大きな影響を受ける。そして純度の高い私の力の影響を受けたそれらは、本来送れる世界が限られる」


「ほとんど力を加えられていない小動物で、信仰の送り先は我……おぬし、なんて面倒なことを……」


「あなた、昔言ってたじゃない。いつか最高神になりたいって」


「それと何の関係が」


「神格は利権が絡み合ってる。私みたいな特殊型はともかく、あなたみたいな万能型は……搾取されるだけよ」


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 ーー次話予告ーー


『第5話 最初の晩餐』

 明日更新


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