第3話 新天地

 第3話 新天地

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 目の前が真っ白な光に包まれ……気が付くとそこは深い森の中だった。


「ここが……異世界」


 ついにやってきた。

 今日から、俺の異世界チーレムライフが幕を開ける。


 それにしても、深い森で視界が全然ない。

 土竜に転生した俺の視界が効かないほど深い森って、ここ結構やばい場所だったりする?


 上を見上げると、視界を奪っている草木とは比べ物にならないほどの大木が見える。

 世界樹だろうか?

 それも、何本も。


 まぁ、竜が生まれる場所だし、秘境なのは仕方ないか。

 ここはきっと人の立ち入ることのできない、竜の縄張りなんだろう。


 さすが異世界といったところか、何もかもが巨大だ。

 前世で見たタンポポに似たこの植物が、俺の体長以上の大きさだ。

 確か土竜は、最低でも2メートル半以上、最大で20メートル程度の大きさだから……


 いやー、すごい。


 やっぱ、土竜になって正解だったな。

 こんな馬鹿気た世界、もし人に転生してたらと思うと……

 いったい、どれほど生きられたことか。

 システムの穴に、女神様に感謝だ。


 クンクン


 何か、何の匂いかわからないが、すごくいいにおいがする。

 ここら辺、地面の下からだ。

 多分、土竜の主食かな。


 ここ掘れわんわん。


 土竜っていうだけあって、爪も大きくて掘りやすい。

 土竜って、何食べてるんだろう?

 出来れば、狩りやすい獲物がいいんだよね。

 せっかく転生したのに、餓死なんて嫌だからね。


「ん?」


 ピンクの……これはミミズか?

 いや、大きさからしてワーム?


 デカい、デカいけど……

 大量の牙の生えた口もないし……

 俺に襲いかかってくるでも、逃げるでもなく、ただ掘り返されてうねうねうねうね。


 巨大ミミズ……?


 全長は俺の体長以上あるはずなのに、なんというか迫力がない。


 迫力……

 そういえば、周りの植物たちもでかいだけで、どこかで見覚えがあるものばかりなような……

 もしかして、実はここ異世界じゃないとか?

 そんなこと、ありえる……?


「ステータスオープン」


【ステータスを表示しますか】

【はい】

【いいえ】


 ふぅ、なんだ。

 杞憂だったか。


 いや、もちろんそんな女神さまのこと疑ったりなんて……

 そんなことするわけないじゃないですか。

 毎秒感謝しています。


 そういや、まだ自分のステータスまじまじと見たことなかったな。

 異世界転生もののお決まりだというのに、景色に感動して忘れていた。


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 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:小動物レベル

 スキル

 土竜下級 レベル1

 土竜中級 レベル1

 土竜上級 レベル1

 土竜特級 レベル1

 女神の加護 ーー

 最高神の興味 ーー

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「え??」


 ……いやいや、まさかそんな。

 ミミズ……

 タンポポ……

 大木……


 いや、いやいや。

 そんなはずない。


「ステータスオープン」


 ーーーーーーーーーー

 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:小動物レベル

 スキル

 土竜下級 レベル1

 土竜中級 レベル1

 土竜上級 レベル1

 土竜特級 レベル1

 女神の加護 ーー

 最高神の興味 ーー

 ーーーーーーーーーー


 ……あれ??


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 ーー次話予告ーー


『第4話 転生したら土竜(モグラ)でした。』

 明日更新


 少しでも続きが気になる、面白いと思っていただけましたら『ブックマーク』『評価』よろしくお願いします。

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