第2話 異世界転生 ※

 第2話 異世界転生 ※

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 つつがなく、ほかの選択も終了した。

 ステータスにポイントを使うより、スキルに使うべきっていうのは古来よりのお決まりだ。

 なので、安かった土竜の固有スキルを取って、その他は大体飛ばした。


 一刻も早く異世界に転生したい。


「女神様ーー!!終わりました」


「そんなに叫ばなくても、聞こえておるわ。選択し終わったのか?」


「はい」


 女神様がタブレットに触れると、一瞬で形が崩れ光の板が空中に浮かぶ。

 俺が選択した内容が、ずらっと並ぶ。


「ふむふむ。ん? ……おぬし、この種族は」


 ヤバい、バグ利用ばれた?

 でも、


「ま、待ってください。選べたんだから、いいですよね? 今更取り消しなんて、なしですよ」


 そう、ここから選べと言われ選んだんだ。

 バグがあったとしても、一度選んだ以上取り消しなんて。

 ふふ、俺の異世界無双生活が……


「……まぁ別にいいが」


 さすが女神様。

 懐が深い。


「ありがとうございます。このご恩はいつかお返しします。転生先で、あなたを崇める教団を作ります」


 異世界で俺つえーして世界統一でもしたら、国教にしよう。

 多分神様にとって、信者が増えるのはいいことに違いない。


「……ま、期待しないで待っておる。それでは、よい人生を」


「はい、女神様」


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 ー名無しの女神様ー


 愉快な若者じゃったな。

 それにしても……


【土竜 10pt】

【アノフェレス 10pt】

【デンドロビウム 10pt】

【アルストロメリア 10pt】

【サラマンダー 10pt】

【キングフィッシャー 10pt】

【アルバトロス 10pt】

 ……


 いくら何でも悪趣味じゃろう。


「あら、私に何か文句でもあるのかしら?」


「……勝手に人の領域に上がり込んで、思考の盗み見とはいい御身分だな」


「ええ、いい御身分ですもの」


「ふん。たまたま『異世界転生』『異世界転移』がはやって運良く力をつけただけで、ついこの間まで我と同じ名無しだったではないか」


「昔の話じゃない。今じゃ、最高神の一神よ」


「ここまで流行るとはね。昔は輪廻転生が理想、ほかの世界なんて地獄以上に嫌煙されていたというのに」


「先見の明よ、今じゃ強力な神格の二つ持ちですもの」


「ほんと、お前はうまくやったよ……」


「……幼馴染のよしみだし、あなたにチャンスあげましょうか?」


「え?」


「今回の異世界転生。私の神格の利用だから、本来あなたには事務手数料ぐらいしか入らないけど。譲渡してあげてもいいわよ」


「……土竜なんぞもらってものう」


「もしかしたら、漢字の通り化けるかもしれないわよ。それに貴重な正規手順で来た子なんでしょ?」


「土竜が化けるねぇ、そうは思えんが」


「ま、面白い見せてもらったお礼よ。あの選択肢、引っかかる人なんて初めて見たわ」


「……まぁ、くれるというならもらっておこうかの。現に我には土竜一匹の余裕もないしの」


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 ーー次話予告ーー


『第3話 新天地』

 明日更新


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