第三五匹 宍食
「おい、少年。こいつへの仇討ちはできたか? 」
アキトはそう言いながら、大イノシシの脳天に突き刺したナイフを引き抜く。
「んだ、できただ。これでじいの気持ちも晴れると思うべ」
「お前がそう思うんならそうだろ」
そんなことを言っていると、ヘカテリーナの声が聞こえてくる。
「アキトさん、アキトさん。もう探しましたよ・・・。って、なんですかこの大きなイノシシ、今日一番の大物じゃないですか! 」
と、ヘカテリーナはその大きさに驚いた様子で駆け寄ってくる。その後ろにいた何人かの男衆も同じく驚く。
「まぁ、そんなわけだ。皆、協力してこいつを村まで運んでくれ」
「はぁーー、でっけぇイノシシだべな、こりゃ運ぶのが大変だべ。よし、日が暮れねうちにはよ取り掛かるだ」
そうして、その巨体は男衆によって運ばれていくのであった。
「さぁ、俺もやることやって帰るとするか・・・」
アキトはそう言って、壊れて散らばった有坂銃の部品らを一つずつ回収していく。
「金属部品はスミスの旦那なら再利用してくれそうだが、木製部分はあまり期待できそうにないか」
「アキトさん、私も何か手伝いましょうか? 」
「ああ、じゃあこれを持っててくれ」
と、アキトとヘカテリーナはしばらく回収作業を続けるのであった。
∴ ∴ ∴ ∴ ∴
その夜、イノシシ狩りの功労者であるアキト達は集落のもてなしの宴に参加していた。
「アキトさん、アキトさん、イノシシのお肉って脂がのってておいしいですね。私、好きかもしれません。」
ヘカテリーナはそう言って、今日狩ったイノシシの料理に舌鼓しながらよく食べている。
「今日は頑張ったしたくさん食べれ食べれ。残さずちゃんと食べれよ。」
そう言いながら、アキトもかなりの量の猪肉を食べる。食べる。食べる。
「獲物を斃したのなら、肉はできるだけ食べてやることがせめてもの報いだ。」
「アキトさんの言う通りですね、食べることが供養ですね」
二人はそう言いながら、食べ進めるのであった。
翌日、アキト達は集落の代表者に感謝されながら古屋敷に戻るのであった。
ハイパーアルティメット狩人~仲間のために狩りしてたのに不要スキルだからと追放されたので、本格的に狩猟に専念したいと思います。えぇ?今さら肉不足ですか・・・雑草を食べればいいと思います なんよ~ @nananyo
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