FFKT2022で見てきたアクトについて感想を書いてみる。②

 ダンスミュージック3連発。順に紹介していきます。


④ ∈Y∋

 実を言うと、∈Y∋を見る予定ではありませんでした。と言うのも、本来のタイムテーブルではGEZANの裏で∈Y∋のパフォーマンスが行われる予定だったので、GEZANを優先して見るのを諦めるつもりだったのです。GEZAN終演後に食事を取り、夜用の装備に着替えていると時間は夜九時頃を回っていました。本来のタイムテーブル上では、同時間帯にアクトを行なっていたのはAir Max'97だったのでそれを見るつもりでeabaretステージへ赴きました。そこでやっと気づいた。これAir Max'97じゃねぇ、∈Y∋だ、と。

 よく見ると、会場にはGEZANのメンバーがゴロゴロといるじゃねぇか……! 思っていると隣にボーカルのマヒトゥ・ザ・ピーポーいるぅぅ?! ってことがちょいちょい発生し、距離感の近いフェスっていいなぁと心底思いました。

 肝心のアクトですがDJスタイルでのプレイで、トランシーかつトライバルなダンスミュージックを掛けていました。食事に大きく時間が取られてしまったことと、次のAndy Stottのライブのスタンバイもあったため二○分程度しか会場に入れませんでしたが、半ば伝説上の存在だった∈Y∋氏を生で見れた事に大きく感動しましたとさ。

 にしても、∈Y∋を見れたのは良かったとしてもAir Max'97を見逃したのは大きかった…… あぁ、ミスったなぁ。


⑤Andy Stott

 やばいのが来てしまった。大切な事なのでもう一度言います。本当にやべえのが来てしまった。FFKT2022の個人的大本命だったAndy Stott。∈Y∋から早めに撤退してSTEELステージの前列でアクトを見ましたが、とにかくヤバかった。想像を軽々と超えてきたというか、もはや想像とは別物の怪物が襲ってきたような感覚。

 ライブ内容は、DJセットではなくアナログマシンを中心としたライブセットとなっており、時間も充実の1時間。裏ではONGAKUDOステージにてnever young beachとYogee New Wavesのライブがあり、こちらもかなり魅力的なラインナップとなっていましたがAndy Stottのライブ自体が貴重なのでこちらを選びました。

 前列で、ウォッカを片手にライブに臨んだのですが、いざ始まってるみると凄まじかった。序盤はAndy Stottらしい(?)ダウンテンポなダブ・インダストリアル/エスクペリメンタル調のテクノで展開し、会場を盛りあげます。見にきた人が「これを見たかった」と口を揃えて言ったであろう期待にしっかりと応えていきます。ステージのヴィジュアル演出もクールで、かなりに手の込んだかっこいい映像(語彙力)と見事にマッチしていました。

 ライブが動いたのは開始20分を過ぎた頃でした。ローテンポで進めていた曲調からキックを抜くと、曲調が変わり、ミニマル・テクノ調のアクトに変わり、オーディエンスも一気に熱量が変わり、化物の全容が見えてきました。

 確かにAndy Stottと言えばダウンテンポで美しいダブ・テクノのミュージシャンというイメージがありますが、Miles Whittakerのデュオ・Millie & Andreaではパワフルで破壊的なドラムンベース・サウンドをやってるわけだし、あまり予想はしていませんでしたが、こっちの攻め方もカッコ良かったです。

 つーか本当に凄過ぎた。ライブが終わった後もオーディエンスの「やばい」という声が絶えなかったし、一緒に行った連れ(Andy Stott未履修)も「一番凄かった」と打ちのめされる始末。

 ライブでしか見れないもの、その空間。音楽は聴くものでありますが、同時に時空そのものです。それを改めて認識できた素晴らしい音楽体験。機会があったらまた見たいしMillie & AndreaやMiles Whittakerも見たいと思いました。まじすごい。


⑥Kangding Ray

 Andy Stottが終わり、次の予定はONGAKUDOステージでのD.A.N.のアクト。インターバルは約2時間30分。一旦キャンプに戻り、椅子に座って休憩タイムに。連れは一旦仮眠を取るということで一人になり、そのまま椅子に座ってスマホを弄っていたのですが、STEELステージから僕好みのテクノ・ミュージックが聴こえて来たので踊ることに決め、そこにいたのがKangding Rayでした。

 実を言うと知らないミュージシャンだったのですが、一瞬で好きになりました。Andy Stottと同じくマシンライブで、トランシーかつミニマルなアップテンポのテクノとプレイしていました。

 なんと言うか、空気感がすごくよかったです。夜のレイヴって言うか、Andy Stottの場合、ライブ!と言う存在感が大きくて自由に踊る感じとは少し違った感じがしました(前列にいたからか?)。対照的にKangding Rayはストレートなダンスアクトとして首尾一貫しており、自分が後方にいた事もあってか自由に踊っていられました。

 FFKTのSTEELステージは面白い作りになっていて、フロア自体は駐車場に設けられており、そのすぐ隣にはキャンプエリアと備え付けの椅子、ブランコなどの遊具があり、そこに身を預けながら自由な感じで音楽に浸ることができます。疲れもあったので休みながら踊りましたが、この音楽との絶妙な距離感がとても心地よく、自分は本当にダンス・ミュージックが好きなんだなと再認識しましたとさ。


 次回、遂にD.A.N.との対決を迎え、長い夜が明けます。本当に楽しかったFFKT。FFKT2022レポート最終回、見逃すな。

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